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太陽フレアについて解説してみたけど

こんなの最後まで読む酔狂な人いるのか? と思うと息切れしてしまった…


けど、最後まで読むと、まあまあわかるでしょう




太陽で巨大フレアが発生すると巨大地震が起きると言うバカ者がいる ー 巨大地震を引き起こすような『力』はどうやって伝わるんだ?




巨大地震と太陽表面のフレアに関係などが有るわけが無い



太陽表面で巨大フレアが発生した時、陽子や電子そして電磁波の『太陽風』(いつも出ている)が超強大になって地球を襲うのだ


普通のフレアなら北極や南極でオーロラが観られるだけだが(地球磁場が太陽風から守ってくれている)



巨大なフレアが発生すると地球磁場が乱されて太陽風が低緯度地域でも地球表面に届いて通信障害等様々な悪影響を及ぼすわけだ




巨大太陽フレアが起こったとして、どうやったら巨大地震を起こせるんだ?


どんな “力” が働いたら巨大地震を起こす引き金になると言うんだ???



“重力波”なんてものも有るが、ブラックホールどうしの衝突で発生した重力波を超巨大な『干渉計』を使ってやっとこさっとこ捕まえる事ができてノーベル賞がもらえそうというほど超々微弱なものでしか無い



もちろん、太陽表面で爆発が起これば超々々々微弱な重力波は発生するだろうが、それはブラックホールどうしの衝突で発生した重力波の何京分の一にもならないだろう




そんなものが巨大地震の引き金になるわけが無い



地球磁場が乱されると言っても、それは地球をおおっている磁場の事で、地球内部の磁場やそれを形成している地球内部の“外核の鉄やニッケルの動きに影響するわけが無い


地殻にも磁性体は含まれるだろうが、


公園の砂からとって来た砂鉄が巨大太陽フレアで動くほどの力を受けるなどという事は無い






何故、フレアが起こるか? 少しは考えてみなよ



太陽の内部では水素が核融合を起こして光や熱エネルギーを発生させているのはわかるだろう?


光も熱エネルギーも電磁波だ ー ストーブが暖かいのは赤外線という光の仲間つまり電磁波が「放射」されているからだ



太陽の組成は水素が90%、水素の核融合によって生成されたヘリウムが10%、酸素 窒素 炭素が それぞれ0.1%にも満たない割合でごくわずかに存在する(これ等は太陽の材料になった恒星の超新星爆発する前にできたものか?)



つまり、太陽の内部では水素が核融合を起こしているわけだが、表層部では水素の電子と陽子(水素の原子核)が分離したプラズマとなって対流を起こしている





水素や陽子のような“荷電粒子”が動くと“磁場”ができる ー 砂を紙の上にばら撒いて磁石を乗せると砂の砂鉄が整列して“磁場”の形が見えるようになるだろう?



太陽の表層部では電子や陽子の“プラズマ”が複雑な動きまわって複雑で巨大な“磁場”を作っている


プラズマの動きは、お風呂が沸く時の模式図で示されるような「対流」が基本らしいが、いつでもどこでもキレイな「お風呂が沸く時の対流」のようになっているわけでは無い



磁場が太陽内部から表面に向けて形成されると 内部からの電磁波が放出されにくくなって、その部分の温度が低くなって黒く見えるのが『黒点』なのだそうな


その時、プラズマの流れは外から見ると台風のようになっている 電磁石のように電子をぐるぐる回転させると磁場ができるのはわかるだろう?



巨大黒点ができるとフレアが発生するわけだが、その時太陽表面ではたくさんのプラズマの“台風”がぶつかり絡み合っているだろう


それぞれのプラズマの“台風”によって形成されている磁場どうしの結びつき方が変わる“リコネクション”によって発生するのがフレアだと考えられている



磁石を2つ用意してくっつけたり引き離したりしてごらん 一旦くっついたら引き離すのが大変だろう?、S極どうしN極どうしだと反発しあうだろう?

その力に逆らって磁石を動かすのに使う『仕事』がエネルギーなわけだ




太陽表面の黒点の所では、たくさんの磁石が集まってグルグルとかき回されていると考えれば良い


床に大量の磁石を並べて強大な力でかき混ぜてやると、磁石どうしの並び方によっては そこから飛び出してしまう磁石も有るだろう




それが太陽フレアなのだと考えれば良いのかもしれない



太陽表面のたくさんの磁石をかき混ぜる「強大な力」の元は太陽内部の核融合で生み出される そのために太陽の表層部では対流が起こっているわけだ






でも、太陽フレアがいくら人間のレベルで見て強大だとしても、宇宙レベルではごく小さな現象でしか無い

そんなものが地球表面の地殻の動きに影響するわけが無いのだ




『重力』は弱い モーターとかを動かす“電磁気力』と比べても あなたの体と目の前の空気の分子は万有引力で引き合っているが、それを感じる事は無いだろう

でも、あなたが手を振れば空気抵抗を感じて風が起こるだろう


それも、元をたどれば電磁気力なのだ


そんな弱々な重力の微小な変動が起こったところで、地球の地殻に影響など有るわけが無いのだ






電磁気力にしても、原子爆弾や太陽活動の元である『核力』に比べれば弱いのはわかるだろう



核分裂による原子爆弾のエネルギーの元は、あなたの体にも無数にある原子の中の原子核を構成している陽子や中性子を結びつけている力だ


陽子どうしは電磁気力で反発し合うが、核力によって結びついているのだ



「原子の大きさがこのくらいだから、陽子や中性子を結びつけているものが有るはず で、原子の大きさからエネルギーはこのくらいで…エイや!」

とやったのが湯川秀樹先生の中間子論だ



太陽フレアとはあんまり関係無い話になってしまった