#448『美女からの緊急要請』
その日、私は六本木のネットカフェで企画書を作成していた。
時間に追われ集中していた私の背後から
「お客様の中でパソコンにお詳しい方いらっしゃいますか!」
という女性店員の声が。
ここはやり手リーマン達が集う六本木のネットカフェ。
パソコンにお詳しくないヤツなど居るはずが無いのだが、
どんな事を要求されるか分からないうちは、下手に名乗り出られない。
しかし、助けを求める女性店員はちょいと美人。
入店時に顔を見ているはずのネットカフェ内の男たち全員、
「僕に任せなさい」と手を挙げたかったはずだ。
パソコンにお詳しい方という、幅広すぎる呼びかけに
尻込みしていると、なぜかその定員は僕の方へ歩いて来た。
おそらく客の中で一番パソコンにお詳しくない雰囲気を持つであろう
私の所へ来た店員は、「お客様、パソコンにお詳しいですか?」
と例の非常に答えづらい質問をぶつけて来た。
「…程度によります」何とも逃げ腰の返答をした所、
店員が私に要求して来たのは、
「USBにファイルを保存したいのですが…」
後悔した!「まかせてください」となぜ言えなかったのか!
その程度なら間違いなく店内に居るほぼ全員が出来るはずだ。
無事USBにファイルを保存した僕は、ちょいと可愛い店員さんから
満面の笑顔付き「ありがとうございました」を頂き、
僕は彼女の救世主だと、誇らしい気持ちを胸に退店したのだが、
企画はスベッた。
放送作家 写六家
ウノプロダクション株式会社
放送作家集団ストレンジャー
http://www.unopro.co.jp
放送作家、募集!
放送作家育成プロジェクト2008~2015(事務所&全実践)
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#447『なめるなスーツ』
皆さんがサハラ砂漠で旅をしようと思った時、
どんな格好をしていくでしょうか?
Tシャツにジーパン?水着?長袖ハーフパンツ?
なんにせよなるべく涼しい格好にしようと思うのではないでしょうか?
サハラ砂漠で生き残る為のベストな服装、それは、
スーツです。
砂漠で一番怖いのは、暑さではなく直射日光による熱さです。
スーツは直射日光を防ぎ、吸水性も高い。
砂漠でスーツ姿とはなんとも滑稽ですが、実は最適な服装なのです。
一生使う事は無いであろうこの知識の元ネタは、
「マスターキートン」という漫画です。
(おいおい漫画知識かよと思われてしまうかもしれませんが…)
考古学を修めた秀才でありながら、
世界最大の保険会社のオプ(保険調査員)。
さらにSASという特殊部隊で軍曹を勤めた事があるという
むちゃくちゃなスペックを持った「平賀キートン太一」という人物が主人公。
オプとして世界中に出張し、命の危険は日常茶飯事。
その度に特殊部隊で培ったサバイバル技術で切り抜けます。
どんな事態でも生き抜く術を身につけたい貴方には、おすすめの漫画です。
放送作家 写六家
ウノプロダクション株式会社
#446『シュウジテラヤマ』
演劇実験室「天井桟敷」を主宰し、
1960年代を駆け抜けた劇作家・寺山修司。
詩人、作家、映画監督など多方面で活躍し、
27歳の時に書いた「家出のすすめ」は、
実際に家出する若者が出現するなど社会にインパクトを与えた。
「書を捨てよ、町へ出よう」でも強烈なメーッセージを送り、
若者のカリスマ的存在となった。
9歳のときに戦争で父を亡くし、中学生になった寺山は、
母親が福岡県の米軍ベースキャンプへ出稼ぎに出たため、
青森市内の叔父に引き取られた。
ある日、離れた母からカバンとハーモニカが送られてきた。
寺山は「カバンを振ると中のハーモニカが動いてカタカタと音がする。
これが母の音と思うと懐かしい」と返事を綴った。
自身の複雑な家庭での生い立ちや少年時代について
虚実を交えて書くことが多かった寺山は、
まだ存命していたにも関わらず、
高校時代の句会で「母逝く」という句を詠んだこともあった。
そんな虚構に生きた天才が座談会で発したプレミアワードがこれである。
「想像力で遊ぶなというのは恐ろしいこと」
若者を扇動していると叩かれがちだった寺山の実感が込められている。
放送作家 石川心水
ウノプロダクション株式会社
