自分が見えてなさすぎ女がいた。

女子力がめちゃ高いにも関わらず、服装がサッパリ系なせいか、即座にそう認識され難いタイプだとは思うが、典型的なぶりっ子オバサン、しかも面倒くさめの欲しがり体質な女だ。いつもの展開?だ。私はこの欲しがり女に疎まし判定を食らう。ハイハイ来ました。見た目でね、ふむふむ、気に入らないですよね。ぶりっ子をしたいのにキャラ的にぶりっ子が出来ない女は、見た目女度合が高い女に嫌悪感を示すのだ。しかも当時の部長に私は贔屓をされていたので、そこも恐らく気に入らないポイントであろう。んなコトは瞬時に見抜いた(自慢)。私はいつもの如く、コツコツ信頼を掴みに行った。バカみたいに仕事がアホな彼女より先に出ないようにし、思い通りにならないと文句をぶつける彼女の思う通りにし、たまに服装を褒め、お土産を渡し、ランチに誘い、それでも一定の距離感を保った。彼女と友達になりたいわけではない。社内での絶対的自由を確保するのに、必須な人物だからだ。

警戒心が強い彼女の行動が変化した第一弾は、私への贔屓部長が退き、私を疎ましく思っている部長が後釜に登場し、彼女を贔屓しだしたからだ。ヨシヨシ。もっとやってくれ。第二弾はコロナ禍で出社が間引きされたこと、それによりお喋りオバサンにも該当する彼女が、話したい欲を発散する場が減り、矛先が(勝手に)私に向いたのである。ヨシヨシ。承認欲求が強い女に孤独はさそがしツラかろう。そこから出社が重なればお昼は雑談タイムとなった。彼女は自分が気に入らない、自分の思い通りに動かない同僚にイライラし、毎回悪口を言っては共感を強要した。私は全面的に悪口には乗らず、なぜこの様な現象が起きていると考えられるか、都度解説した。オマエもなんだよ!!という自身のイラつきは、母親に愚痴りやり過ごした。

判ったような事を言われるのは皆さん不愉快だと思うので、つか、オマエもなんだよ!とっとと気付けよ!というイラつきは、言い当てた単語を疑問形にしてお届けするのが常だ。これをコツコツこれを積み重ねた結果、やっと彼女は白状した。私、自分の事が全然見えてなかった気がする。○○さん(私)と話してるうちに、私ってプライド高いし、女性的って判った、とな。判ればよろしい。この自白まで6年の歳月が流れた。長かったが、やり切った感を味わえた案件である。