技術者の「キャリアデザイン」とやら その8 | りゅうせんけいの「重箱の隅」

りゅうせんけいの「重箱の隅」

知らないことは罪である!

 本文の前に・・・


 元来の遅筆と、ここしばらくのモチベーションの著しい低下ゆえに、毎度の事ながら、長らく更新できず、申し訳ありません。

 少々短いですが、前回からの続きをアップいたします。

 

「その7」より続き


「『瓜二つ』なんてオーバーな・・・」

という声が聞こえてきそうであるが、この「一世代前」の部品と今回の部品とでは、全長はともかくとしても、あちこちの幅や肉厚までもが、全く同じであったのである。

 強いて違いを探せば、今回の部品のほうが、全体的に多少丸みを帯びていることぐらいであろうか。

 はっきり言って、

「新たに部品を設計する必要があったのか?」
(「一世代前」の部品をそのまま流用すればよかったのでは?)

というほど、各部分の寸法が同一なのである。



 さらに解析結果をよくよく調べてみると、今回壊れた「部品」を留めている「ピン」が大きくたわんでこの「部品」にもたれかかり、その部分が圧迫されて応力集中が生じている様相が浮かび上がってきた。

 専門的に言えば「(ピンの)剛性が不足している」ということになる。


「まさか・・・」

 嫌な予感のした僕は、今回の製品に使われていた、この「ピン」について調べてみた。


・・・予感は的中した。


 今回使われていた「ピン」は、これもまた「一世代前」の「ピン」を、そのまま流用していたのである。


 先にも述べたが、今回の製品は、「一世代前」の製品に比べて、大幅に性能が向上している。

 単純にカタログデータを比較しただけでも、およそ3割増の性能向上である


 この「ピン」について、まず単純に「壊れないか」という強度計算(僕は「狭義の『強度計算』と呼んでいる」)を行ったのであるが、使用している材料から考えて、3割増の力でも壊れる可能性は低いと思われた。

 しかし、大きな力が作用する以上、この「狭義の『強度計算』」のみでは不十分であり、「有害な変形」の検討(部品がたわむなどして、他の部品と当たったりしないかなど)が、どうしても必要なのである


 件の先輩が、このことについて知らないはずは無いと思うのであるが、いかんせん、先述のように、想定している力を小さく見積もってしまっているので、「有害な変形は無し」と結論付けられたものと思われる。


(続く)