暫く前....と言っても、かれこれ20数年も前の話だけれど、アメリカに行った時に、ある中年の知り合いから、こんな事を言われた事があります。
「日本人っていいよなー。日本人って、ハゲないんだろ?」
はあ?と思いました。そんな話って聞いたこともなかったので、「そんな事ないよ、どこから聞いたの??」と聞き返すと、「自分は何回か出張で日本に行った事があるが、ハゲている日本人を一人も見なかった!」と言うのです(因みにこれを話していたその彼はハゲていた)。
そんな事ないよー。僕の親父はハゲてるよ、とフォロー?しておいたのですが、彼はどうしてそんな事を考えるに至ったのだろう?と、暫く疑問に思っていました。
その後何度かアメリカやヨーロッパの都市に行って気付いたのですが、要するに、欧米では、お年寄りがフツーに元気で、外を歩き回っているのですね。相当にお年を召した、もう80を越したかなと思う様なお爺さん、お婆さんでさえ、杖をつきながらでも外を歩き回るのです。しかも、老夫婦でも、仲良さそうにしっかり手をつないで。
日本人の場合、最近はだいぶ変わってきたとは言えど、ある程度の高齢になってしまうと欧米の人ほどには街中を出歩かず、家にこもる傾向が昔からあったと思うのです。そこに思い当たって、僕はやっと、「ははあ、それであの彼は『日本人はハゲない』と思っちゃったのかなあ?」と気付いたのです。
ましてや出張などで日本に来ると、都心に滞在する時間が殆どだったでしょうから、ハゲ遭遇率がアメリカより相当少なかったのでしょうね。
ところで、時代は過ぎて、少子高齢化が叫ばれて久しいですが、改めていま日本で街中を歩いていると、年配の人がやたらに多いなあ、と感じます。何か、初老の男女の方々で町が溢れかえっている気がします。毎日見ていると緩やかな変化には気が付きにくいのですが、建物や道路の変化とはまた違った意味で、いつの間にか町の風景は変わってしまっているんだなあ、と感じます。
今、あの彼が日本に来たら、どう思うだろう。
いずれもっと時が進んで、日本の都市は老人で溢れかえっている時代になるのでしょうか。
時代の流れは止められないけど、せめてその時、みんながちゃんと自分の足で歩き回って、老夫婦はしっかり手をつないで仲良く歩いている様だといいなあ、と思います。