今週の初めの16日、米コカ・コーラ社は、「PlantBottle」と称するバイオ材料使用のPETボトルを世界展開すると発表しました。
これは30%がサトウキビ由来の原料によるPETボトルで、材料的には通常のPETと同じなので、従来のPETボトルと同様にリサイクルも可能なのだそうです。
このボトルは既にデンマークでは500mlと2Lのコカコーラ・ファミリー(コカ・コーラ、コカ・コーラ・ゼロ、コカコ-ラ・ライト)商品で市場に導入されており、12月には西カナダ、1月にはシアトル、サンフランシスコ、ロスアンジェルスなどのアメリカ西海岸にも出荷を開始するそうです。
更に、来年中にブラジル、日本、メキシコ、中国などへも市場展開すべく企画中だとか。
これってなかなかエポック・メイキングなニュースだと思うのですが、何故か日本のメディアには殆ど取り上げられていません。何よりも日本コカコーラがこれに関するリリースを出していないのです。
何故なんでしょうね。
思うに、例えばヨーロッパ各国ではPETボトルはリターナブルです(PETボトルのまま洗浄して再利用するのです。日本のビールの大瓶と同じです)。
この場合、コカ・コーラのボトルはあくまでコカ・コーラとして再利用されるので、他社との混用の心配もなく、ボトルのコストが上がっても再利用回数分だけ按分されるので、この様な新機軸なボトルも導入しやすいのかも知れません。
(実際のところ、デンマークの「PlantBottle」は、もともと通常のPETボトルがリサイクルPETを50%含有している関係もあって、植物由来分の比率は15%に留まるそうです。「PlantBottle」をいち早く導入する販売意欲にも感心しますが、更に、回収した廃PETがきちんとボトルに再利用されているのにも感心します)
(実際のところ、デンマークの「PlantBottle」は、もともと通常のPETボトルがリサイクルPETを50%含有している関係もあって、植物由来分の比率は15%に留まるそうです。「PlantBottle」をいち早く導入する販売意欲にも感心しますが、更に、回収した廃PETがきちんとボトルに再利用されているのにも感心します)
これに対して、日本のPETボトルはワンウェイ(1回限り使用)ボトルで、回収してもPETボトルに再利用されている訳ではないので、「PlantBottle」の様なコストが掛かるボトルは、他社との整合や競争の点でも、日本のメーカー側からはあまり歓迎されないのかな、と思うのです。
残念ながら、「エコ」が流行り言葉になっているにも拘らず、産業界が強い日本では、消費を伴わない「エコ」は黙殺される傾向にあるようです。エコ家電と称して、まだまだ使える電化製品の買い替えを勧める日本の電機業界の体質と、似たようなものを感じますネ。
まあ、「PlantBottle」がベストな選択とも言い切れませんが、それにしても「エコ」の定義をもう一度見直して欲しいなあ、そして消費者に正しい選択肢を示して欲しいなあ、とちょっと考える今日この頃。