先日の中川昭一前財務・金融相の泥酔会見で、記者会見にいたメディアが厳しい質問をしなかったとか(タレントの会見では各社はグサグサな質問をするのにネ)、あの直前の、中川氏がG7の昼食会ををわざわざ中座して記者たちと(飲みながら)過ごした昼食を、同席した記者が何もその様子を報道していないとか、色々メディアのあり方が問われる事態になっています。
更に批判されているのが、NHKがあの会見を意図的に報道しなかったという件。政治家に不利な報道をしないという、強者に迎合した、中立な筈のメディアにはあるまじき状況になっているのですね。
ところで、出張に出てヨーロッパのホテルに入ると、部屋でのちょっとした時間に、TVを付けっぱなしにして音声を流しながら、新聞や本を読んだり身の回りの支度をする事がよくあります。そういう時には、やはり英語の放送であることが多いのですが(英語以外の言語が不得意な事もあり....英語も得意とは言えないけどネ)、大抵の場合、その時のチャンネルはBBC WORLDかCNNなのですね。
この2つは、どこの国に行っても、まず普通に見ることが出来ます。BBCもNHKと同じイギリスの元国営放送ですし、CNNもアメリカの4大ネットワークのひとつですが、グローバルなプレゼンスという意味では素晴らしいものがあります。
(そういえば、日本国内に居ても、生態系や世界紀行などの番組で、BBCの素材を使ったものは多くありますね。こういう分野でも、国境を越えて番組制作に注力して、各国に配信している姿は素晴らしいと思いますね)
それに比べて、NHKって何?日本人以外は誰も知りません。外国で見れる事は殆どありません。グローバルなプレゼンスなんて無いに等しいです。
同胞として情けないものがあります。
更に、ここ何年も騒がれているNHKの色々の不祥事を見るにつけ、報道機関としての責任感やモラルなんて、期待する事自体無理なのかなあ、と思ってしまいます。
BBCやCNNの報道を見ていると、一国の枠にとどまらず、グローバルなメディアであるという自負が彼らの報道姿勢を支えているように思われます。CNNの戦争報道などを日本のメディアが伝える時、えてして無謀にも見える報道姿勢だけを興味本位で伝えている事があるのですが、そうした取材を支えているのが彼らのグローバル・メディアとしての責任感だという点は、なかなか日本のTV番組ばかりを見ていると判りにくいのかも知れません。
昨今の受信料問題や経営改革の議論を見ていると、NHKがBBCに追いつく事はほぼ不可能な気がします。受信料の既得権益にしがみついて、放送・報道の内容そのものが自身のアイデンティティであり経営の原資であるという事を忘れてしまったような組織に、放送局としての未来はないと思うのです。
中川氏の報道の件は、そんな体制下での、モラルの喪失が端的に出た例なのかな、という気がします。