以前、多分英国航空だったと思うけど、日本への帰途のフライト中の事です。
エコノミーの席だったんだけど(いつもだ)、隣に居た日本人のおじさんが、飲み物を配りに来たスチュワーデスさんに、「キャンティ」と注文したのです。(知ってる人は知ってると思いますが、キャンティはイタリア・トスカーナ州産の赤ワインです)
それを聞いて私は、何やらこだわるおっさん?でも、エコノミーなのにそんな決め打ちしていいの?と思ったのですが、案の定キャンティなどは用意されておらず、その外国人のスチュワーデスは、キャンティはないけどこれならある、と言って別の赤ワイン(フランスだったと思う)を勧め、そのおじさんは、ウン、じゃそれ、と指差してその赤ワインを受け取ったのです。
そしたら、次にそのおじさんが発した言葉を聞いて、私は、(顔には出さねど)ちょいズッコケたのでした。
「何だ、あるじゃん、キャンティ」
思うに、そのおじさん、赤ワイン=キャンティ、と思っていたのですね。
多分もともとワインを飲まない人だったのが、どこかでキャンティを飲んで、それが美味しかったので名前を聞いたところ「キャンティ」と言われたので、赤ワインの総称をキャンティと呼ぶものと勘違いしていたのだと思うのです。(まあ、それだけキャンティが美味しかったという事だから、それはそれで良しと思うが)
明治時代に鉄板に包まれたレンガを「ブリック(英語でレンガ、の意)」と紹介されて、それを包んである鉄板を意味するものと勘違いして、以後誤って鉄板をブリキを呼ぶようになった、という話がありますが、それに似たような話です。
でも、そういう勘違いって笑えない。自分もどこかで似た様な勘違いを犯していないか、不安なのです。
巨人の星のオープニング画面を見て、古タイヤをコンダラという名のトレーニング器具だと思っていたとか(注:「重いコンダラ試練の道を♪」)、童謡「赤い靴」で、女の子は「ひいじいさんに連れられて行っちゃった」と思っていたとか....何かいまちょっと考えても色々な例を思い出すのです。
きっと自分も、今気付いていないけど、後で気付いて穴があったら入りたいような思いをする事があるんじゃないかという気がします。入る穴を間違えないようにしたいと思うばかりです。
(麻生総理も、「え?『未曾有』って、『みぞうゆう』じゃないの?あ、『みぞう』って言うの??いやー、68年間ずっと『みぞうゆう』だと思ってたよ。初めて知った、今知った。マイッタねー、さるまた失敬」ぐらい言う様だと、少しは愛されるんじゃないかと思いますが)