たまたま訪れた、小さな町で見掛けた、移動遊園地。
ちょっと小さめのメリーゴーランドや、やはりちょっと小さめの観覧車、電動自動車などの乗り物。
子供たちはどうやって移動遊園地の訪問を知るのだろう。
それとも、毎年決まった時期に、この遊具たちはやって来るのかな。
だとしたら、待ち焦がれている子供たちもいるだろうな。
でも、普段遊んでいる公園や通り過ぎるだけの空き地に、突然遊園地が出現したら、楽しいだろうな。
たとえ出し物が小さくても、常設の大きなテーマパークより、100倍エキサイティングかも知れない。
幼い子供など、誰かが魔法をかけたと思うかも知れないよね。
でも、移動遊園地は、いつか違う町に行ってしまう。
移動遊園地が帰っちゃったら、子供たちは寂しいだろうな。
再び空き地に戻ってしまったその場所を、どんな気持ちで眺めるだろう。
帰る日を知らなくて、コインを握りしめて息をはずませて公園に来てみたら、誰もいなかったり。
そんな子もいるのかも知れない。
そうなったら、可愛そうだな。
そんな子を見たら、また来るよ、って励ましてあげたい。
偶然出会った、小さくっても夢があって、ひとの思い出に残る風景。



