ひかりの魔女/双葉社



山本甲士さんの「ひかりの魔女」読ませていただきました。


山本さんの作品は初めて読みましたが

思いのほか、ほんわかおもしろく。

読みはじめて一気に読んでしまいました。



物語の語り手は浪人生の光一。

予備校には通わずに自宅で宅浪している。

そこに、田舎で長男と暮らしてた祖母が

長男が事故で亡くなったので

次男である光一の父のところに

やってくるところから物語が始まる。

88歳の祖母。

一見普通のおばあちゃんだけど

おばあちゃんの子守をいいつかった光一は

おばあちゃんと行動を共にしているうちに

祖母には大きな秘密があることに気づく・・・・・


このおばあちゃん。

とにかくお料理が上手。

おかまで、七輪の炭で炊いたご飯は

読んでるこっちもよだれが出そうな感じだし。

煮物も、ふきとかその辺にあるものを取ってきて煮てるし。

糠漬けもとてもおいしそう。

イワシの糠みそ煮なんて、どこにいったら

実際に食べられるんだろうと思ってしまった。

シンプルだけど、それが一番なのかもね。


おばちゃん、世の中や家族のことが

本当によく「見えて」いるので

そっと分からないように手助けして

ぎくしゃくしてた家族を元通り以上に修復してしまったり。

困った問題を、手作りのおばんさいで

あっという間に解決してしまう。

人脈もものすごい。


自分はあと40年たったら

こんなおばあちゃんになれるか?といったら

絶対に無理だろうな(笑)

すごすぎるもん、このおばあちゃん。

なんでもお見通しだけど

決して無理強いせず、あくまで

相手に自主的にやらせてしまうすごさがある。


これ、シリーズにならないかな。

面白かったからね。

ドラマでもいいね。

子供に見せたいドラマになりそうだから

教育テレビあたりであってほしいな。


宅浪でくさってる光一も

おばあちゃんと一緒にいるうちに

「優しいうそ」が上手につけるようになったし。

物事をきちんと見る事が出来るようになって。


光一もオトナになったね(笑)


作品の冒頭でおばあちゃんを

忍者みたいに描いてるんだけどね。

私が中学の頃、当時、実家にはひいおばあちゃんが存命で。

このひいばあちゃんが忍者みたいだったのを思い出した(笑)

おかんなんて「くのいち」とか呼んでたもんね。

年寄りでそろりそろりと歩くので

足音がしなくて。

夜中、トイレに行くので廊下の電気をつけると

真っ暗な廊下の真ん中にひいばあちゃんが歩いてて。

こっちは悲鳴をあげそうなくらい

驚きました。毎回。はい。

電気つけたらそこに足音忍ばせたばあちゃんいたら

ビビるでしょう。

せめて足音くらいさせてほしかった(笑)

逆に急に電気つけたらばあちゃんが驚いて

そのショックで死んだら困るので

そういう時は電気つけるなって言われてた。

うち、ある意味ほんとすごい家だった(笑)


あ、このばあちゃん。

葬式の朝。

親戚一同で寝てるところに霊として出てきたことがあって。

その時もやっぱりそろりそろり、とあらわれてね。

寝てる親戚の顔を覗き込んでは

「これは○○の子だな」「これは○○だな」って

ひとりひとり確認して回ってたの。

死んでも足音させないってすごいなーと思ったわ。


って、そこじゃないぞ!

霊で出てきてるところに、驚け!

って後で弟に突っ込まれましたけど(笑)

女くのいちのひいばあちゃん。

あの世で元気にしてるかな。


そうそう。

以前、ほめてのばすのはどうか?と書いたことがあったけど

このおばあちゃんを見てる(読んでる)と

褒めてもいいのかもしれないね、と

思ってしまいました(笑)



すごく素敵な作品でした。

こういうほっとする作品、もっと注目されてもいいのにな。