こんにちは、いこっちです。
今日は、クラッチがすり減って自走不能になった話をしたいと思います。
これって、ライダーでも経験することがあまりないかもしれません。
しかしいつ来てもおかしくないので、これを知っているだけで、実際に起きてしまった時にすごく役立ちますから、保険のつもりで聞いて下さい。
そのバイクはBMW K1200Sです。 2008年式、走行距離19000キロ。
去年の1月、寒い日でした。
首都高速都心環状線を流している時、アクセルを開けても、パワーが空回りして、進まないのです。
といっても、毎回ではなく、なったりならなかったりといった具合です。
この段階では、速度もきっちり出ているし、走るのに支障がきたすことはありませんでした。
しかし、都心環状線を3周ぐらいして、レインボーブリッジの登り坂を通過中に、突然おかしくなりました。
アクセルを開けても、パワーが伝わらないのです。
明らかに滑っているようですが、まさか自分のバイクのクラッチが擦り切れているとは夢にも思わなかったのです。
ディーラーの中古車を購入してからまだ4年目、毎回点検を欠かさず、メンテナンスをきっちりやってきました。
距離も19000キロ足らずで、そんなことおこるのだろうか?
何か違うトラブルではないのか、そんなことを思いながら、芝浦PAに緊急避難しました。
そしてエンジンを一度切ってから、しばらくしてかけました。
燃料がきちんといきわたっていないのではないか?
エンジンを切って、リセットすることで、改善するかもしれない。
そんなかすかな望みを持っていましたが、結局はダメでした。
とりあえず、まだ動くし、いけるところまで行ってみようと、ここを後にしました。
しかし、芝浦PAから本線に上がるのも、上り坂なので、ちょっと大変。
何とか合流したものの、パワーは明らかにありませんでした。
浜崎橋JCから左に入り、一ツ橋JC、谷町JCを経由しました。
この辺りは、少し力が戻ってきた感じがしました。
しかし、三宅坂JCの登り坂では、時速60キロが精いっぱいでした。
左車線を走っているのですが、バンバン抜かれます。
この速度でも何とか持ってもらえれば、と祈るような思いで走りました。
そして、竹橋JCから5号線に入り、飯田橋の合流あたりからさらに、パワーがダウンして、このままだと首都高上で止まることになると思い、ついに観念しました。
この段階では、時速が40キロまで落ちてきていて、左車線の左寄りをハザードをつけながら走行し、次の護国寺の出口で降りました。
とりあえず首都高を下りることができてほっとしました。
ここでレッカーを呼べばよかったのですが、何を血迷ったか、バイクを積むときに邪魔にならない所まで、行ってみようと思い、大通りを低速で走りだしました。
今思うと、ほとんど駆動力が伝わっていないのに、よく走れたなという感じです。
この時はどうだったでしょうか、よく覚えていないのですが、それでもクラッチは半クラにしていたと思います。
滑っていても、クラッチをつなぎっぱなしであれば、これはこれでエンストしてしまうと思ったからでしょう。
こんな非常事態の時に、練習もないのですが、いい経験ができました。。
そして、しばらく走り、東池袋の交差点で右折。
信号が青になっても、時速3キロぐらいでしかもう走ることができません。
後ろのハイエースのお兄ちゃんは、顔をひきつらせていたので、僕は左に逸れて、後ろの車を先に行かせました。
右折が完了し、やっと路肩に停めることができました。
ここは首都高の高架下で、場所も余裕があります。
ここならバイクを積むのに、問題ないと思い、レッカーを呼びました。
なんだかんだ2時間ぐらい待ち、バイクを積んだのを見送った後、池袋駅に向かいました。
後日、モトラットセントラルへ行ってみると、クラッチ版が完全に擦り切れていました。
BMWのバイクのクラッチは、こんなに軟なのかと聞きましたが、僕の場合、自主練で半クラッチを多用して、低速旋回の練習をさんざんしてきたので、それがクラッチに負荷を抱えてこうなったという事でした。
自分にも身に覚えがあることなので、通常の乗り方をしていれば、こうはならないようです。
費用は工賃込で14万円。痛い出費でした。
しかし自分のはK1200Sで4気筒なので、これぐらいで済んだらしく、GSなどの水平対向のモデルだと、かなりの部分をばらすことになるらしく、工賃が高く、20万円ぐらいになるから、良かったと言われ、妙に納得してしまいました。
でも国産だと、5万円ぐらいだという事を後で聞いて、やはりかなり高い。。。
今振り返ると、壊れる少し前くらいから、ちょっと滑るなという感じはしていたのです。
それも常にそうなるわけではなく、ほんのわずかなので、見落としてしまいがちなレベルなんです。
そういった兆候があった場合には、すぐに見てもらうべきだったと、反省しています。
最初はおかしいなぐらいであっても、走っていて突然、走行不能までになってしまうという事です。
これはいろいろな意味で大変怖いです。
仲間とツーリングに出かけた場合でも、この兆候が見られたら、すぐさま工場へ持っていくことをお勧めします。
少しでも参考になれば、幸いです。
いこっち

