こんにちは。
田嶋高志です。
『へなちょこヴィーナス』と『残念なアイドルはゾンビメイクがよく似合う』の終演から、はや数週。
いまはストレイドッグの新作『幸せになるために』の稽古に励む毎日です。
さて、遅れてしまいましたが、このたびは秋の二本立て『へなちょこヴィーナス』と
『残念なアイドルはゾンビメイクがよく似合う』へのご来場、まことにありがとうございました。
僕は当初出演の予定はなかったのですが、仕事で広島に行ってる間に出演が決まり、
それからひそかに稽古を重ねていました。
途中合流でも温かく迎えてくれた両作品のキャストには、心から感謝していますし、
何より演出の森田さんと那波さんのおかげで素晴しい作品を作り上げることができました。
新型コロナ感染症が猖獗を極めている昨今、
お客様も不安を抱えるなかでのご観劇だったと思います。
それは演じる我々も同じことで、
この未知の状況下でできる最善を尽くして公演を行いました。
コロナ禍からの数か月、
演劇の力、エンタメの力、以上に、人間の力が試されているのだと思っています。
トイレットペーパーの品薄から始まり、自粛警察、マスク警察、
ブレる政策に多くのひとがイラついたことは、決して一度や二度ではないでしょう。
そして海の向こうでは、コロナを引鉄に更なる分断も生まれつつあります。
その中で自分が身に染みて感じたことは、
劇場内での感染対策の徹底は、演じる側と観る側、双方の協力、助け合いがなければ成立し得ないということ。
そしてそれは、決して演劇に限った話ではなく、
たとえコロナのない世界が続いていたとしても、実は同じことだったんですよね。
僕は今まで、それほど感謝をしていなかったんじゃないかと思うんです。
当たり前の環境で、何年も甘えていたのではないか、と。
たくさんの人が手を差し伸べてくれたからこそ、劇空間は生まれるのにそれを、ちょっと忘れていたのかもしれませんね。
人生は本当にままならないものです。
九年前の震災でも感じたことですが、この先もきっとたくさんの逆境が訪れるはずです。
そのたび不安に苛まれることもあるでしょう。
結局のところ、芝居なんかなくたって、生きてはいけると思い知って。
でも、それと同じように生きてさえいれば、何度でも芝居はできるんですよね。
その不思議な逆説は、僕ら表現者の一つの光なのではないでしょうか。
生きていれば、また必ず大切なひとに会える。
本当に好きなものに、気づけるときが来る。
一刻も早い、コロナ収束を願いながら、
当たり前に見えない距離が埋まっていく、素晴しい演劇やエンタメを、
これからもっと追及し、精進していきたいと思います。
応援よろしくお願いいたします。声援は、いまは小さめに。
それでは皆さん、次は『幸せになるために』で、お会いしましょう。

