森岡利行オフィシャルブログ「監督日誌」powered by Ameba

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脚本家
舞台演出家
映画監督
プロデューサー
文教大学情報学部メディア表現学科非常勤講師

 

39年前の8月12日18時56分30秒、123便は墜落した。

 

わたしは当時25歳で劇団活動をしていた。

当時の日記を見返すと大阪公演が終わり、

琵琶湖へ旅行に行っていた。

 

日記にも日航機墜落と記されていた。

 

39年後、わたしは脚本家になり、演出家になっている。

当時、そんな未来はこれっぽっちも想像していなかった。

今、39年前の日記を引っ張り出し、読んでいる。

 

「俺達は者を書く時、まず“嘘”を作る。

そして、その“嘘”をどれだけ激しく、

情熱的に信じ続けれれるかによる。

ハングリーさがないと、まずとっかかりの嘘がつけない。

狂ったふりができない。

そして体力がないと、その嘘を信じつづけられない」

(“つか版 男の冠婚葬祭入門”より)

 

わたしは39年前につかこうへいさんの書籍から、

気になった言葉を書き出していた。

 

まるで、自分が脚本家(劇作家)になることを予感するかのように。

また、山田太一先生の言葉も書き記していた。

 

「なにか一つ、自分が好きなものを発見することだと思う。

なければ無理にでもつくって、それに集中することだと思う。

心から好きなことがなにもないというのは、

はずかしいことなんじゃないかなと思う」

 

その言葉を信じ39年やってきた。

結果はまだ出ていないが、

今までの生き方を恥ずかしいと思ったことは、ない。

 

この事故で亡くなった520名のご冥福を祈って───

 

合掌。

 

2024年8月11日中国新聞に掲載。