無念さは国境をこえて

前回の続きです。

いちごさん、ひーさんから彼女の話を聞き
彼女に会う事にしました。

問題となるのは意識を失っている時に出てくるというたくさんの兵士達。
日本兵なのかベトナム兵なのかと聞きましたが、顔が見えないのでわからないと言う。なぜ兵士がそんなにたくさん出てくるのか？日本では戦争に関するような所には行ってないという。

会社で意識を失った彼女は2日後に国に帰ることが決まりました。
事態を重くみた会社の決断でした。

でも、このままでは絶対に帰りのバスや飛行機の中で彼女は意識を失うでしょう。
こちらから成田空港までなども合わせると
ベトナムの家まではざっと20時間くらいはみないといけません。帰る途中で意識を失ったら彼女は帰ることも出来なくなる。

私がやれることは彼女を無事に国に帰すこと。とりあえず最低限、無事に帰さなくては…。

私なりに気持ち込めて、彼女と彼女がみえるたくさんの人たちに、語りかけました。
言葉が通じなくても、その想いは伝わるはず。。
最初は彼女が緊張していてなかなか思うようにいきませんでした。
2度3度とやっても動きがなく、半ば私が諦めようとしたその時に、彼女の体に異変がおきました。
体を小刻みに動かしたと思ったら、そのまま意識を失いました。
私にとってはチャンスです。このチャンスを生かさなければと必死でした。

数分で意識を取り戻した彼女は
「兵士に連れていかれそうになった」
と話しました。

彼女のいう兵士ですが、帰る前日に兵士の正体がわかりました。

彼女の家はベトナムです。
かなり地方だろうと推測されます。
彼女が日本に来てからベトナムで住んでいた家が壊れてしまい、そこで新しく家を建てることになったそうです。
その家を建てる時に土の中からたくさんの人骨が出て来たそうです。
それはベトナム戦争で亡くなった兵士の人骨だそうです。ベトナムでは無縁墓みたいなものがなく、それらはまとめて何処かにただまとめて置かれている状態なのだそうです。
ではなぜその兵士が彼女の元にきたのか。
これは推測ですが、ちょうど彼女が意識を失うようになる少し前に彼女のおじいさんが突然の事故で亡くなったんです。
そのおじいさんが彼女に会いに現れた時に兵士が付いてきたのではないかと。。
つまり、おじいさんの事故もこれらの仕業ではないかと…
おじいさんは連れていかれたのではないかと…

彼女も意識を失って暴れる時に自分の首をしめようとするので寮の子達がとめていたそうです。
掘り起こされたことで眠っていた兵士の悔しさや無念さがこの世に出てきているのではないかと思いました。
そして彼女に取り憑いてしまったのではないかと思いました。
このままでは彼女も連れていかれてしまう。。
彼女にいろんなアドバイスをしました。
私からあちらの方への語りかけもやってみました。

そして翌日の夕方の便で日本をたち、
なんとかベトナムまでたどり着いたそうです。
途中体がだるくなったようですが意識は失わなかったそうです。

良かった。。少しは役に立てたみたいです。あとはあちらでなんとかしてもらうしかありません。

でも、言葉の壁もありましたし、
今回はとても、とても疲れました…

細かく書くと長くなってどうしようもないので、ざっとまとめてみました。
長い長い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。