宮部みゆきさんといえば有名なミステリー作家ですが、そんな宮部さんがファンタジーのジャンルとして書かれたものがこのブレイブ・ストーリーです。
宮部さんはもともとゲーム、特にRPGたのジャンルが好きなことで有名ですが、そのゲーム好きな部分が全面に押し出されている小説だと思いました。
具体的にどういうことかというと、この物語は現実を変えるために主人公のワタルが、願いを叶えることができる世界ヴィジョンに行き冒険をするというものなのですが、その道すがら様々な人間以外の種族や魔法、モンスターといったRPGの定番の要素が数多く出てきます。
自分もゲーム好きというかたには、にやりとできる要素が至るところに発見できると思います。
主人公のワタルはごく普通の一般的な小学生です。
当然剣の技術や、特別な運動神経などは持ち合わせていません。
物語の中では何度も心が折れそうになり、辛い目にも沢山あいます。
しかし、そのたびに仲間の存在や周りの人達からの助けもあり何とか前へ進み続けるワタル。
それはまさしくタイトルの通り『ブレイブ・ストーリー=勇気の物語』というものです。
さらにこの小説は宮部さんの技量による物語の引っ張りかたも素晴らしいと思いました。
中盤以降にだんだんと分かってくるヴィジョンの姿。
そして、ワタルに課せられた無情ともいえるある試練。
そこはミステリー作家らしく、人の心の闇をうまく表現していると思いました。
人の心には必ず闇の部分がある。
主人公のワタルとそのライバルであるミツル。
お互いがその闇に対してどのように立ち向かい、向き合ったのか。
そして、冒険の最後にワタルは一体何を願うのか。
ずっと引き付けられっぱなしで読みきることが出来ました。
物語としても感動できる場所や、RPGらしくもりあがる熱いバトルなど見どころはたくさんあります。
ゲームが好きな人、ワクワクする冒険ものが好きな人、ファンタジーが好きな人、いろんな人にお勧めできるとてもいい小説だと思いました。