契約関係を超えて制約なしに活動… 収益性・自律性共に確保
 「事業経歴のないアイドルなのに…」懸念の視線も

 

企画会社との契約関係やグループ活動の制約から抜け出してアーティストとしての力量を自由に発揮するとし、果敢に新しい領域に飛び込んだのだ。

ジェニー・ベクヒョン・ウンヒョク・ドンヘ… 「私の企画会社」のアイドル
7日の歌謡界によると、YGエンターテインメントとの専属契約終了で世間の注目を集めたBLACKPINKジェニーは先月24日、1人企画会社オード・アトリエ(OA)を設立した。ジェニーが彼の母親と共に共同設立して運営しているという。

ジェニーは去る2日、音楽番組「ザシーズンズ-イ・ヒョリのレッドカーペット」録画で「個人活動をもっと自由で楽にしてみたかった」と設立背景を明らかにした。

昨年7月にSMエンターテイメントを去ったスーパージュニアの東海とウニョクも、同年9月に2つの活動のための新しい会社オードエンターテインメントを立てた。東海は作曲、ウニョクは演出のほうに強みを見せてきたという点が基礎となったと伝えられた。

先月、公式YouTubeでウニョクは「ビジョンを新たに作ろうという考えだった」、東海は「新しい道を行こうという話をたくさんした」と背景に言及した。

モモランド出身のジュイは昨年、所属事務所との専属契約終了後、株主エンターという1人企画会社を務め、盛んな活動を続けている。

同年、アストロ出身のラキド1人企画会社を設立し、ミニアルバムを発売し、ペンタゴン出身の木野も自分だけのための企画会社として新しい出発に乗り出した。

本人の個人活動だけを管理する一人企画会社を超えて製作者の役割をするという目標で個人会社を作るアイドルもある。

昨年8月に個人会社を設立すると明らかにしたEXOのベクヒョンもこのような事例だ。ペクヒョンは製作者の道を歩いてみたいという考えをずっと見せてきた。

このほか、昨年5月に企画会社エンコードを設立した東方神起出身のキム・ジェジュンも新人アイドル製作を予告したことがある。

契約の転がり抜け… 個人中心で制約なく活動
アイドルメンバーが企画会社設立を選択する理由としては、既存の企画会社との収益配分条件の不一致、活動上の自律性確保などが挙げられる。

いったんジェニーのようにメンバー1人だけでも相当なブランドパワーを備えることになれば再契約時点で収益配分で異見を見せる。このため、既存の所属会社との交渉に失敗し、個人会社設立にまでつながる場合が多い。

カン・ダニエルや今月の少女出身チューのような場合は所属事務所との契約問題が浮かび、紛争が起こり、1人企画会社を務めるきっかけにもなった。

キム・ドホン大衆音楽評論家は「本人を中心にチームを構成すれば仕事と収益などあらゆる面で効率的に管理できるので、1人の企画会社がアーティストにとって有利になるしかない」と説明した。

金銭的な問題以外にも企画会社に所属しており、できる活動上の限界が自分だけのチームを作りたいという欲求を刺激したという解釈も出ている。

ある歌謡界関係者は「グループ活動は特定のコンセプトに合わせて活動しなければならない制約事項がある」とし「企画会社を設立すればやりたかった音楽に対する渇きを解くことができるというのが最大の利点」と分析した。

制作者としての夢を抱いているアイドルが企画会社を務めることも制約なく音楽的力量を広げるというコンテキストで理解できる。

過去とは異なり、メンバーそれぞれが他の所属事務所に属した状態でグループ活動を続けていく'別にまた'の方式が普遍化したという点もこのような流れを煽った。

アイドルウェブ陣アイドルロッジを設立した微妙評論家は「2016年以後、複数の所属事務所のメンバーが1つのグループを成し遂げることが十分に可能だということが立証された」とし「その延長線上で「私の企画会社を見てみよう」という人々もできること」と説明した。

彼は「海外アーティストモデルは主体的にキャリアを積んでプロデュースする形態」とし「Kポップも今や世界舞台を基本とするため、アーティストとしての主体性を過去に比べてもう少し意識する雰囲気もある」と分析した。

会社運営に困難も付いて… 「歩みを見なければ」
ただ、事実上、事業経歴が専務したアイドルメンバーが個人会社をきちんと整えていくかに対する懸念の視線もある。

2017年に1人の企画会社を務めたSISTAR出身のヒョリンは最近、YouTube番組「ノーパック・タク・ジェフン」に出演し、運営上の困難を吐露したことがある。

彼は会社の運営状況に関する質問に「大丈夫だ」とし「一人で食べても残ることはない」と打ち明けた。運営費としてこれまで集めた資金の相当部分を注いでしまったという説明だ。

そんな中、企画会社設立のリーダーである一部のアイドルは、アーティスト制作からまで成果を上げ、新たな道を開拓したりもした。

代表的にブロックビー出身のジコは、2018年に設立したKOZエンターテイメントを通じて昨年、ボーイグループボーイネクストドアを披露して話題を集めた。

2PM出身のパク・ジェボムもヒップホップラベルAOMGとハイアミュージック、芸能企画会社モアビジョンなどを相次いで設立し、製作者としての立地をしっかりとした。

キム・ドホン評論家は「アイドル個人が本人だけの道を作って活動するのは悪くない流れ」とし「企画会社を立てるにはいくつかの要因があることができ、今後の歩みはもう少し見守らなければならないだろう」と話した。

一方、韓国マネジメント連合関係者は「本人が本人だけをマネジメントする個人事業者(1人企画会社)は大衆文化芸術企画業登録義務がない」とし「産業的側面から管理範囲外の会社が増えて混乱が発生する可能性がある」という懸念も伝えた。