こんにちは。
 久しぶりにアメブロにログインしてみたら、前回の更新から約3年の月日が流れていました。
 相変わらず日々淡々と撮影会を運営しているわけですが、今回は世間を騒がせている「プール撮影会」について、私見を述べてみたいと思います。

 たとえば、堀江貴文さんの配信(運営側の企画に参加した経験あり)、橋下徹さんのテレビ番組でのコメント(市長として会場使用の許可に携わった経験あり)、塩村文夏衆議院議員のツイッター(モデルとして水着グラビアの経験あり)など、さまざまな形で撮影会に関わっていた人たちの意見も出ていて、「撮影会ってこんなに多くの人が関わっていて、皆さんさまざまな意見を持たれているのだな、と感慨深いものがあります。

 本日6月13日時点では、全面的な使用禁止という事態は避けられたようで、一安心といったところですが、何かまたトラブルがあれば、今度は完全に禁止となるリスクもあり、充分に注意が必要なのはいうまでもありません。

 ただ、いちごはうすのスタジオでは水着撮影会を20年近く開催しており、実際に「プール撮影会」に参加したモデルさんやカメラマンさんの生の声を聞く機会も多いので、私なりの考えをまとめておきたいと思います。

 なお、今回この文章を書くにあたり、事実関係の確認として、
6月9日配信「開催2日前にいきなり電話で言われ…」共産党の申し入れで「水着撮影会」が中止に 騒動の裏側に迫る」
https://news.yahoo.co.jp/articles/58f9971ff57c7e318703246d4ba47c8dc450602b

 また、この上記記事の著者である徳重龍徳(インタビュアー、グラビア評論家)さんのツイッター(@tatsunoritoku)も参考にさせていただきました。
 また、一般社団法人siente(https://siente.tokyo/)が「埼玉県公園緑地協会に送った抗議文に対する回答」も参考にしています。

 それでは、そもそも「プール撮影会」とは何ぞや、という話から始めます。
 撮影会である以上、カメラを持ったカメラマンさん、写真を撮られるモデルさん、そして事前準備から当日進行までを行う運営、この3者で成り立っているわけですが、会場が屋外のプールであり、衣装が水着である、というのが大きな特徴です。
 多くの場合、プールの夏季営業期間を外して行われますので、主に4月~6月、9月後半~10月の土日祝日に開催されます。

 今回の中止要請を受けた運営元は4社で「フレツシュ撮影会」「はなまる撮影会」「東京Lily(雑誌「ヤングアニマル」)との共同企画」、「Gスタ(雑誌「近代麻雀」)との共同企画」となります。
 その中で、中止要請が継続しているのは、6月13日時点では「Gスタ(雑誌「近代麻雀」1社ということになります。

 4社ともに秋葉原周辺に自社スタジオを持ち、ほぼ毎日スタジオでは撮影会を開催しています。
 ただ、このスタジオ撮影会には出演しないが、プール撮影会なら出演します、というモデルさんも少なからずいるのです。
 スタジオで水着になるのは抵抗があるけれどど、プールや海なら水着okです、というケースがあるわけです。
 そうなるとカメラマンさんにとっても、めったに撮ることの出来ないモデルさんが出演するのであれば、行ってみようか、という気にもなるわけです。
 荒天で中止になるリスクはあるにせよ、運営・カメラマンさん・モデルさんのすべてにとって、スペシャルなイベントなのです。

 次に実際の撮影会の進行についてです。
 カメラマンさんは登場するモデルさんの誰を撮影しても良いことになっています。
 仮にモデルさん50人、カメラマンさんが250人集まったとして、開始時刻になって、モデルさん50人がプールサイドの各所に散らばると、250人のカメラマンさんが撮りたいモデルさんのところに移動して撮影会がスタートするわけです。
 この形式を撮影会業界では「セッション撮影会」と呼んでいます。
モデルさん・カメラマンのどちらも複数参加していて、カメラマンさんはどのモデルさんを撮っても良い、という形式を「セッション撮影会」と言うのです。

 この時です。
私は「セッション撮影会の闇」と勝手に思っていますが、50人のモデルさんに対して250人のカメラマンさんが均等に集まるわけではありません。
 1人のモデルさんを各5人のカメラマンさんが囲む、という状況には絶対になりません。
 10人20人にワーッと囲まれるモデルさんもいれば、1人2人、場合によっては誰も撮りに来ないモデルさんも発生する可能性があるわけです。
 その時ポツンとしてしまう状況のモデルさんの気持ちを想像してみてください。
 「心が折れる」とか「病む」といった言葉では表現しきれない虚しさを感じると思います。
 しかもたくさんのカメラマンさんに囲まれてポーズをとっているモデルさんの様子もみえるわけです。
 私はこの瞬間に立ち会うのがイヤで、モデルさん複数の撮影会は開催しない方針を設立当初からとっています。

 規模が大きくなると、どうしてもこういった事態は避けられませんし、運営の皆さんの苦労も充分にわかっているつもりですが、この「セッションの闇」が今回の騒動の一因となっているのではないかと思います。
 
 そんな状況下で、少しでもカメラマンさんに撮ってほしい、という目的で、過激なポーズに応えてしまうモデルさんがいても、必ずしも非難はできないでしょう。
 さらにいえば、現場でのカメラマンさんの集まり具合によっては、次回からの撮影会に呼ばれない、ギャラが下がる、といった負のスパイラルに陥る可能性もあり、まさに「セッションの闇」が具現化した一件だったのではないかと思いました。

 さて、次は中止要請の根拠となっている「撮影許可条件」についてです。
一般社団法人sienteが「埼玉県公園緑地協会に送った抗議文に対する回答」によれば、
その許可条件とは、
・マイクロビキニに分類される水着及びそれと同等の露出となる水着は禁止します。
・過激とみなされるポーズは禁止とします。(水着をズラす、過度に股を広げるなど)
 この2点となっています。
 今回の中止要請は、この2点に違反する撮影行為が確認出来たから、ということだそうです。

 なかなか、これだけだと解釈が難しいのですが、
「布面積の小さい水着を着用し」「大股開きで」「さらにその水着を半脱ぎ状態で」撮影した、撮影された、ということで間違いなかろうと思います。
 カメラマンさんがリクエストしてそうなったか、モデルさんがカメラマンさんの気を引くために自主的にそうしたか、はわかりませんが、その状況を運営側が現場でコントロールするのは非常に難しいと思います。

 またモデルさんが自分で水着を用意する以上、その基準を誰にでもわかるように明確にするのは大変難しいことです。

そこで、私がもし「プール撮影会」のルールを作るなら、という観点で、いくつか考えてみました。

①モデルさんはヌーブラを着用する
直径8cm以上のものを想定しています。胸をより形よく見せる、というのはもちろんですが、水着がずれてバストが露わになるリスクを防げると考えます。

②モデルさんはアンダーショーツを着用する
水着の中に着るアンダーショーツはフルバックでもTバックでもよいのですが、水着からアンダーショーツがはみ出さないようにすることで、自ずから水着の布面積は適正なものになると考えます。
ハイレグ系の競泳水着に関しては、アンダーショーツの腰ヒモ部分が透明なものもあるので、それでカバーすれば、撮影にはほとんど影響が無いでしょう。

③カメラマンさんからの予約受付を「指名予約」「フリー予約」の2種類にする
「指名予約」は単一のモデルさんを指名して予約するものです。「指名予約」が1名でも入れば、そのモデルさんはその撮影会に出演可能となります。
もし指名予約が0名の場合は、たとえば3日前の段階で指名予約が0名の場合は、出演自体が無くなる、というものです。
さらに指名予約の定員を各モデルさんごとに10名に設定して、指名予約が10名に達したモデルさんについては、
「フリー予約」のカメラマンさんは撮影出来ません、とするのが私のイメージです。

これは、少しでもポツンとするモデルさんを減らしたい、という考えから来ています。
指名予約が無ければ、不参加で良いし、人気があり過ぎるモデルさんに多数が群がる、ということも避けられる方法かな、と考えています。

④水着メーカーとタイアップする
プールで通常着られる水着を販売しているメーカーとのタイアップで「プール撮影会」を実施すれば、モデルさんは水着を用意する必要もなく、水着メーカーの宣伝にもなり、安心安全な水着撮影会が運営できるのではないかな、と思いました。

以上、今回の騒動のきっかけ、そして今後のプール撮影会のあり方について、私なりの意見を書いてみました。
「雨降って地固まる」の諺通り、すべての関係者の皆さんが気持ちよく参加出来て、楽しめるような形になれば幸いです。

2023年6月13日
スタジオいちごはうす管理人
野間 真