近年、夏の時期にはすさまじい猛暑に見舞われるようになりました。

特に去年は大変でしたよね。

暑いだけではなくて、夕方から突然豪雨になる「ゲリラ豪雨」という現象も起こっています。

そもそも、ゲリラ豪雨とは何なのでしょうか?

ゲリラという言葉の由来はスペイン語で、元の意味は「小さな戦闘」。

あのナポレオンがスペインに攻め込んだ時に、現地の人たちがナポレオンの大軍を何とか苦しませようと少人数で神出鬼没の襲撃を繰り返したことから、敵が予測できないような場所に突然現れて小規模な攻撃を行うことを「ゲリラ」と呼ぶようになったんです。

近年、夏になると頻発する豪雨は、突然思いもよらないところで大雨が降るなど、雨の降る場所や量も予測できず、まさにゲリラみたいですよね。

このように、いつどこで降るのか分からない大雨を「ゲリラ豪雨」と呼んでいるんです。

天気予報などで「1時間の降水量は107ミリ」のような表現が使われます。

これは、ある1時間に降った雨が外に流れないで貯まった場合、どれだけの深さで貯まるかを測定したものです。

つまり1時間107ミリの降水量とは、1時間に10・7センチ貯まるほどの雨というわけです。

10センチちょっとなんて大したことない、と思うかもしれません。

しかし、気象庁は10ミリ以上20ミリ未満の雨を「やや強い雨」と呼んでいます。
天気予報で「やや強い雨が降るでしょう」と言っているときは、1時間に10ミリ以上20ミリ未満の雨が降るということです。

これが20ミリ以上30ミリ未満だと「強い雨」に。

いわゆる「どしゃ降り」です。よく聞く言葉ですが、どしゃ降りでも30ミリ未満なんですよ。

そう考えると、1時間に107ミリという降水量がどれだけ凄まじいものか分かるはずです。

 

ゲリラ豪雨の厄介なところは、先ほども触れましたが予測が難しいところ。

数分から数十分という短時間で発生することもあって、事前に正確な位置や強さを把握できないんです。

ゲリラ豪雨が起こりやすいのは、ビルが建ち並び、人が多く集まる都市部。

工場や自動車の排熱、ビルや住宅のエアコンから出る熱、コンクリートやアスファルトといっ
た地面からの照り返しなどが影響して、都市部は他のところと比べて、気温が高くなるんです。

これを「ヒートアイランド現象」といいます。

このヒートアイランド現象で都市部が以前より暑くなったことにより、大雨を降らせる積乱雲ができやすくなり、ゲリラ雷雨が発生しやすくなったんです。

また、都市部の高層ビルの存在も原因の1つと言われています。

例えば、海の近くに高層ビルがあると、海の方から来た風がビルにぶつかって、ここで急激に上にあがっていきます。

この「上昇気流」が起きることによって積乱雲が突然発生し、激しい雨を降らせるのではないか、ともいわれています。

そんなゲリラ豪雨に備えるには、とりあえずは天気予報に頼るしかありませんよね。
キーワードは「大気状態が不安定」という言葉。これは、冷たい空気と暖かい空気がぶつかり合っている状態のことで、そういうときは積乱雲が発生して大雨が降りやすいんです。

夏場に「大気の状態が不安定になっています」という言葉を天気予報で聞いたら、ゲリラ豪雨の可能性を考えた方が良さそうです。