ルーブル美術館の作品集(その8)【ドゥノン翼(Denon) 2階部分(2)】●作品No.31 『パオロとフランチェスカ』(アリ・シェーフェル)なんかフワーッとした動きがしていて、とても幻想的な絵ね。 この絵は、ダンテの『神曲』三部作の第一編の中にある第二圏五歌を題材にしているのよ。禁断の恋に、理性を省みず、情熱に身を任せて罰を受ける恋人たちね。現実から逃げるように二人は描かれているわ。●作品No.32 『メデューズ号の筏』(テオドール・ジェリコー)こんなに乗ったら沈んでしまうニャ!かなり大きな絵ね。1816年7月5日に起きた、フランス海軍のメデューズ号が難破した時の現場を表しているわ。フランス復古王政の指揮下にあったフランス軍指揮官の無能さが招いた事件として、国際的にスキャンダルとなった事件よ。 そういえば、ドラクロワの「民衆を率いる自由の女神」もこの時代だニャ。そうね。この当時、フランス革命で途絶えていた王政は1814年のルイ18世即位で復活したけど、その後、シャルル10世の時には7月革命(1830年)が勃発、オルレアン家のルイ・フィリップの時には2月革命(1848年)が勃発して、フランス王政は終わったのよ。●作品No.33 『ルイ15世の王冠』この部屋、すごく豪華な造りになっているわ!この部屋は「アポロンの間」と言われているわ。フランスの王は戴冠式の際に自分用の王冠を作っていたの。 自分専用の王冠だなんて、豪華極まりないニャ。この部屋は、フランス王政時代の煌びやかな宝飾品がたくさん展示されていて、華やかな王政の時代が感じられるわね!●作品No.34 『四季』(アンチンボルド)野菜人間だニャ!アンチンボルドはイタリアのミラノ出身の画家で、動植物や果物を組み合わせて肖像画を描いた画家ね。 騙し絵の作品みたいだニャ。●作品No.35 『六人の天使に囲まれた荘厳の聖母』(チマブーエ)金色がまぶしいニャ・・・この絵はキリストと聖母、4人の天使と聖人たちが描かれているわ。あと、この絵の額縁には26個のメダイヨンで装飾されているの。 メダイヨンって何ニャ?メダルのことにゃ。写真ではちょっと小さくてわかりにくいけど、額縁に丸い鋲見たいなものが埋め込まれているみたいニャ。てっぺんのメダイヨンにはキリストが描かれているようだニャ。●作品No.36 『詩的な世界』(ティツィアーノ)ん?真ん中の人、周りにいる人に気づいていない感じがするニャ。 この絵に描かれている女性は、実際に存在しているわけではなく、「詩」の寓意とされているわ。現実の世界とニンフ(女性)という対比を表現しているのよ。次回、ルーブル美術館の作品巡りは最終回をむかえます。