【ドゥノン翼(Denon) 2階部分(1)】

●作品No.26 『学芸たちの集いに導かれる青年』(ボッティチェリ)
ボッティチェリはイタリアの作家で、生涯のほとんどをフィレンツェで過ごしたから、パリでボッティチェリの作品が見れるのは珍しいことなの。

学芸たちの集い?学芸たちといっても、なぜかみんな人間だニャ。
このフレスコ画の題名となっている「学芸たち」というのは「自由七学芸」のことを人格化したものなの。文法や弁証法などの言語にかかわる学問と幾何学や天文学などの数学に関わる学問を体系的に分類していたのよ。


●作品No.27 『聖母のエリザベツ訪問』(ドメニコ・ギルランダイオ)
パッと見たところ、膝をついているのが訪問した聖母マリアかと思ったりもするけど、実は、青い衣装を着た方が聖母マリアなの。この絵はユダという街に住む、マリアの従姉妹エリザベツを訪問している時の絵よ。

ふつう、逆の感じがするニャ。
この時、エリザベツも妊娠していて、彼女が産んだ息子が洗礼者ヨハネとなり、マリアが産んだ息子はイエスとなったのよ。
だから、イエスを身ごもっている聖母マリアに対して、敬意を払って膝まづいているのがエリザベツなんだニャ。

●作品No.28 聖アンナと聖母子(レオナルド・ダ・ヴィンチ)

女の子なんだか微笑ましい絵ね♪ところで、聖アンナって誰?
聖アンナは聖母マリアの母親ね。この絵はフランス国王ルイ12世が娘クロードのの誕生を祝って制作を依頼したものといわれているわ。聖アンナは身ごもった女性の守護聖人とされているのよ。

●作品No.29 『洗礼者ヨハネの首』(アンドレア・ソラーリ)

生首だニャ~!なんでこんな絵があるのニャ!?
この生首は洗礼者ヨハネの首ね。

●作品No.30 『洗礼者ヨハネの首を受け取るサロメ』(ベルナルディーノ・ルイーニ)
 
今度は受け取ってるニャ~!
この生首の絵は、新約聖書のマルコによる福音書のエピソードが題材となっているのよ。

『マルコによる福音書第6章の一節』
ヘロデ王は、自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤをめとったが、そのことで人をつかわし、ヨハネを捕えて獄につないだ。それは、ヨハネがヘロデに、「兄弟の妻をめとるのは、よろしくない」と言ったからである。そこで、ヘロデヤはヨハネを恨み、彼を殺そうと思っていたが、できないでいた。それはヘロデが、ヨハネは正しくて聖なる人であることを知って、彼を恐れ、彼に保護を加え、またその教を聞いて非常に悩みながらも、なお喜んで聞いていたからである。
ところが、よい機会がきた。ヘロデは自分の誕生日の祝に、高官や将校やガリラヤの重立った人たちを招いて宴会を催したが、そこへ、このヘロデヤの娘がはいってきて舞をまい、ヘロデをはじめ列座の人たちを喜ばせた。そこで王はこの少女に「ほしいものはなんでも言いなさい」と言った。そこで少女は座をはずして、母に「何をお願いしましょうか」と尋ねると、母は「バプテスマのヨハネの首を」といい、それを伝えるため、少女は王に「バプテスマのヨハネの首をください」と言った。王は非常に困ったが、いったん誓ったのと、また列座の人たちの手前、少女の願いを退けることを好まなかったため、その通りにした。

女の子さすがヨーロッパね。キリスト教を題材にした絵が多いね。
エピソードをちゃんと説明してもらわないと、どういう場面なのかわからないケド、マリーちゃんがいてくれて助かるニャ。

ルーブル美術館の作品巡りはいよいよ大詰めです!