
ようやく最後の棟ニャ。あちこち回ったから今どの辺にいるかわからなくなってしまうニャ。すべて見て回ると1週間かかるというのもうなずけるニャ。

ふふっ♪これまでも名作ぞろいだったけど、この最後の「ドゥノン翼」こそが、3つの棟の中でも一番人気があるのよ!

確かにこの棟、これまで以上に人が集まってるね!・・・あっ!あれはもしかして!?
【ドゥノン翼(Denon) 1階部分】
●作品No.20 『サモトラケのニケ』

これって、結局のところ、女神とかそういうのをモチーフにしているの?

そうね。勝利の女神がモチーフになってるのよ。この彫刻は、エーゲ海北東に浮かぶ、ギリシャ領サモトラキ島で見つかったのよ。

鳥人間だニャ。ニケってどういう意味ニャ?

ニケはギリシャ語で勝利の女神を意味しているのよ。つまり、サモトラキ島の勝利の女神ニケ、ということね。
●作品No.21 『奴隷』(ミケランジェロ)

この2つの彫刻は、どちらも「奴隷」というタイトルだけど、左側の方は『抵抗する奴隷』、右側の方は『瀕死の奴隷』といわれているわ。

左側の方は確かに抵抗している時の荒々しい感じが伝わってくるわ。右側の方は奴隷にしてはなんか余裕??の感じがしてるけど・・・

題名からすると、もうすぐ永遠の眠りに就くってことのようニャ。
●作品No.22 『アモルの接吻で蘇るプシュケ』(アントニオ・カノーヴァ)

この作品の元になった物語のこと覚えてる?

覚えてるニャ。羽が生えてる方がアモルで、もう片方がプシュケだニャ。

この作品は、アモルを探して世界を彷徨っていたプシュケが、アフロディーテから受けた試練の最中に、開けてはならないとされた箱を開けてしまい、永遠の眠りについてしまったところにアモルが姿を現し、息を吹き込んで蘇った瞬間をとらえたものよ。
●作品No.23 『戦う戦士』

ラジオ体操第一の5番目「体を横に曲げる運動」かニャ?

いや、それにしては足の開き方が気合入りすぎている感じだニャ。もっとダンスとかそのくらいの激しさが感じられるニャ・・・

ラジオ体操?それも日本式なの?でもこの彫刻はどちらも違うわ。これは戦う戦士の彫刻よ。この彫刻は永らく『剣闘士』とされてきたけど、この彫刻が制作された当時、円形闘技場で戦う剣闘士という存在は知られてなかったはずだから、この彫刻は『剣闘士』ではなく戦う戦士像であるということがのちに知れることになったのよ。
●作品No.24 『ディルケ』(ロレンツォ・バルトリーニ)

ディルケは、テーバイ(現在の中央ギリシャ地方にあった都市国家)の王リュコスの妻ね。リュコスの兄ニュクテウスの娘であったアンティオペを虐待していたことで、ギリシャ神話の中では悪女として描かれているわ。

悪そうには見えないニャ。
●作品No.25 『フォンテーヌブローのニンフ』(ベンヴェヌート・チェッリーニ)

このブロンズの彫刻は、フランソワ1世の宮廷フォンテーヌブロー宮の金色の扉を装飾するために制作されたものよ。でも実際にはフォンテーヌブロー宮に飾られることはなかったといわれてるわ。

鹿と一緒に描かれているということは、狩猟の女神アルテミスかな?

結果としてそういう見方になるけど、この彫刻が表しているのは、フォンテーヌブローで行われた狩猟の最中に、狩猟犬ブリオが泉を見つけ、それが「ブリオの泉」となったのよ。で、その泉を擬人化したものね。
ドゥノン翼の作品巡りは続きます。