ある派遣社員Aさん(仮名)が時給100円アップの条件で、派遣先の会社に引き抜かれた。今日が、派遣会社との契約が切れる日で、明日7/1から正式に派遣先企業だった会社のパートタイマーとなる。ここまではいい。(厳密にいうと、よくない。それは後ほど)
ところがAさんは、今日、社長に呼ばれてこう言われた「申し訳ない。カクカクシカジカで時給を50円アップとさせてくれ。」明日からお世話になる社長にお願いされて、泣く泣くAさんはうなずいた。
その話をAさんから聞いた僕は、はっきりと言った。「断固として、その会社から100円アップの時給にしてもらうべきだ。」と。この企業はいくつかの重大なミスを犯している。そのうちの1つは法を犯している。
1、改正パートタイム労働法違反
今年の4月より、企業は労働条件および労働条件についての質問、昇給・賞与の有無などパート・アルバイトに対して明確にしなければならなくなった。Aさんは、企業が雇用の際、発行しなければならない労働条件通知書をもらっていない。そもそも雇用が決まったならば、その時に100円アップの時給が明記されている通知書をもらっておけば、このような目にあうことはなかった。
2、信用問題
この企業の社長はウソをついた。僕が思うに、PA労働法違反よりタチが悪い。なにせ、雇用の前日になっての給与ダウンの申し入れだ。卑怯極まりない。この企業の売上が悪いというのは前からAさんに聞いていた。給与ダウンの理由は売上不振による経費削減とのことだが、はっきり言って、Aさんに対する仕打ちは、確信犯だといわざるを得ない。
しかし経費削減はウソではない。なぜなら企業が派遣会社に支払う時給より、自社で雇用するパートアルバイトへの時給のほうが断然安いからだ。だからこそ、この社長は引き抜いた。ただし、100円アップをする気などなく、最初から50円アップに収める気でいたのだろう。派遣会社に支払っていた金額を思えば100円を50円にしたところで、一体どれほどの削減になるのか。派遣から自社に変えることで大幅な削減になっているはずだ。
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【解決策】
「ではどうしたらいいの?」Aさんは僕に問いかけた。僕は3つの案を立てた。
1、親御さんに物凄く怒られたということ(に、して)を社長に伝える。理由は、前日に時給を下げられたということ。そして、労働条件通知書が発行されていないこと。「信」と「理」が両方揃っている。
2、労働基準監督署に訴える。おそらく、きちんと法律を遵守している企業は少ないと思う。知らなかったではすまされないのが法律だ。正しい、正しくない、ではなく、決まった法律は守らなければならない。なぜなら日本は法治国家だからだ。
3、辞める。その社長を今後も信用できますか?
少々、話がそれたり、長くなったりしたがAさんは1の案を選んだ。まぁ、ほとんどの人が1を選ぶだろう。なんだかんだ言っても生活がある。そう簡単に辞めることはできない。だからこそ、弱者の弱みにつけこむような今回のケースに腹が立った。Aさんが辞めると会社だって困るのだ。法律と信用、さらに必要(Aさん)で攻めているのだ。勝てないわけがない。仮に、断られたら3をもって、2で報復する。
多分、優しいAさんは2はやらないと思うが・・・、同じような目に遭う人を作らないためには実行すべきだと僕は思う。あ、・・・・あくまで断られた場合だけどね。
中小企業の社長さん、法律にはしっかり目を光らせておきましょう。なにより、約束は絶対守りましょう。