『適応』
『適応』
~なぜ成功は常に失敗から始まるのか~
ティム・ハーフォード著
【この要約書で学べることとは?】
①企業が進化するように生き残る方法。
②変化と適応力が必要な理由。
③複雑さ、実験、失敗に対する考え方。
【3分間で理解する「本書の要点」】
◆すべての製品、ビジネス、習慣は、それ自身の複雑なプロセスを生み出す。
◆素晴らしさはいつまでも続かない。不変にそこにあり続けるものは、変化だけである。よって、生き残るには変化する状況に適応する必要がある。
◆企業は、迅速に変化を起こす能力と、標準的な習慣からの逸脱を理解し検討する能力の間で綱渡りをしている。
◆常に正しいリーダーなどいない。よって、企業はリーダーのミスに対処する方法を持っていなければならない。
◆組織が学び、適応するには、すべての階層は変化に対応しなければならない。
◆自然は、一度に考え得るいくつもの変化をもたらすことで、解決策を見つける。
◆複雑なシステムの様々な要素が密に関連している場合、一部分で起きた問題は素早く広がってしまう。
◆失敗は良い教師である。しかし、しっかりと学ぶには正しい考え方を持つ必要がある。
◆失敗のリスクを減らすには、部下を信じること。
◆部下に主導権を握らせ、取り組む時間を与えること。
<本書の推薦>
どのような企業に於いても業務の専門性を問わず力を発揮するマルチプレイヤータイプの従業員が存在します。
このような従業員は、あらゆる場面で部署を越えたピンチヒッターの役割りを果たすことができ、企業にとっては大変重宝される存在です。
反面、このタイプの多くは、一つの専門分野に特化し卓越した能力を保持しているという訳ではない為、具体的な知識に乏しくやや説得力に欠くというケースも少なく在りません。
しかし、その価値は、企業にとっていかに貢献しているかどうかであり、結果がすべてを語るものです。
また、どのような従業員にも少なからずウイークポイントはある為、このタイプのように柔軟な思考で状況を判断する能力や的確に物事を洞察する能力を持ち合わせているという特徴は、多少の欠点があるにしても、大変魅力的なものです。
また、このタイプはいかなるウイークポイントを一蹴するほどの問題解決力に長けている為、職場で生き抜いていく逞しさにも目を見張るものがあります。
勿論それは、伴った結果へと直結する為、大きくは企業貢献となります。
特に専門的な知識と経験を保持したマルチプレイヤータイプの従業員である場合は、組織のリーダーとして十二分な資質を持ち合わせている為、どのような組織でも必ずリーダーとしての頭角を現す存在であるといっても過言ではないでしょう。
本書の著者、ティム・ハーフォードは、経済学者とジャーナリストという両側面の立場と自らの多彩な経験から数多くの事例を用いて、従業員が職場で効率よく働ける術を細かく解説しています。
そして本書『適応』は組織と自分の進化を成功へ導く地図のようなものです。
柔軟な思考がいかにビジネスや人生に変革を齎すかということを力説している本書を、仕事をしているすべての人にお薦めします。