『10兆ドルのギャンブル』(エグゼクティブブックサマリー)
『10兆ドルのギャンブル』
~ アメリカの赤字処理の失敗と今使える投資戦略 ~
ラス・ケステリッチ著
【この要約書で学べることとは?】
①膨らみ続けるアメリカの財政赤字が経済と市場の成長にもたらす影響
②財政赤字の影響を受けた経済の中で、取るべき投資戦略
【3分間で理解する「本書の要点」】
◆膨らむ一方のアメリカの財政赤字によって、増税、大幅な予算縮小、給付金の減少、金利の上昇が引き起こされるだろう。
◆「財政赤字に振り回される環境」の中、投資家は、株式市場および債券市場が大幅に不安定になり、米ドルへの最初の圧力が生まれ、インフレが高まるという厳しい現実に直面することになるだろう。
◆利益の大きい投資機会が完全になくなることはない。しかし、これまでと同じ分野にあるとは限らない。また、同じテクニックが通用するとも限らない。
◆投資にはタイミングが肝心である。経済指標を注意深く監視し、金利の上昇やインフレを察知すること。
◆金利の低い今の内に長期ローンを固定化し、短期証券にのみ投資すること。
◆金利が上昇すると債券価格は下がる。その為、債券の満期は「階段状」にすること。
◆株式市場は今長期的な下げ相場であり、これは、株価が長期的に上がらないことを意味する。
◆海外、外国企業、アメリカの輸入業者の株の購入を検討すること。
◆コモディティ商品を購入すること。コモディティ商品は、金利が上昇する状況の中で有利である。
◆インフレの時期には、不動産に投資することは賢い選択である。
アメリカは第2次大戦後、毎年数十億ドルの貿易黒字が計上されていました。
しかし、ベトナム戦争の敗戦後、財政は赤字傾向を強め70年代には高インフレを招く結果となりました。
80年代にはレーガン元大統領の政策によって減税と軍拡が行われ、さらなる財政赤字が膨張しましたが、90年代の最初に行われた税制改革の結果、赤字は縮小し始め、結果として黒字に転換しました。
とは言え、ITバブルの崩壊、9.11のテロ後の軍事費の増加から、2008年のリーマンショックの影響で赤字は更に膨張するという現実となり、現在に至ります。
世界一のGDPを誇るアメリカですが、この地位を他国に譲ることになるかもしれません。
とは言え、こういう状態の中であっても市場を動かさねば更に景気は落ち込みます。
このような状況下で、投資家が、いかに賢い投資で経済を牽引していくことができるか如何かがアメリカの景気成長の鍵になると言えるのではないでしょうか。
本書、「10兆ドルのギャンブル」では、こうした膨らみ続けるアメリカの財政赤字に焦点をあて、経済と市場に与える影響について客観的な見解を示しています。
また、こういった現状においてどのような投資戦略をおこなっていくのがよいのか具体的なことが書かれています。
本書の著者、ラス・ケステリッチは投資専門家として著名な人物であり、具体的な戦略、証券、資産に至るまでどのように活用するかを語っています。
ここの事例はアメリカばかりでなくあらゆる事に応用できる事として是非お読み下さい。