「〜とはどういうことか」とはどういうことか? 

 

記述問題の定番で、「〜とはどういうことか」を聞いてくるものがあります。

 

難関大学の入試では、それこそ全問が「〜とはどういうことか」と問う形式になっていることも珍しくありません。

 

たとえば京大の国語なんかはこんな感じです。ほぼ全ての問が「~とはどういうことか」です。

(私もはるか昔に受験しましたが、この設問形式はまったく変わっていませんね)

 

そして、この「〜どういうことか」系の記述は、難化する中学受験国語でも、残念ながら確実に増殖中です無気力

 

 

「どういうことか」の攻略法 

 

さて、この「どういうことか」系の設問、どうやって解けばよいのでしょうか?

 

実は、この「どういうことか」系の設問にはアプローチの仕方があります。それは、


① 文の構成要素(主語や目的語、指示語など)を補う

② 比喩の言い換えを行う(比喩変換)

③ 論理の飛躍を埋めるもの


のどれか又は複数の組み合わせで考えるというものです。

 

難易度的には③が一番高く、大学受験ではこれが頻出ですが、(一部の最難関校を除いた)中学受験ではどちらかというと①②の組み合わせが頻出のように思います。

 

ちょうど、今回の予シリの宿題範囲(第7回の基本問題)の記述が2問とも比喩の言い換え(比喩変換)を求めるものだったので、これを題材に説明していきましょう。

 

 

比喩変換の2大原則 

 

比喩変換のルールは2つ。

 

1 構造を保存する(構造保存)

2 イメージを保存する(イメージ保存)


です。

 

 構造保存


これは、比喩でない部分は意識的に「そのまま」にしておくというルールです。

 

私が授業中使っていた例は

 

「M先生の頭は太陽晴れだ」

 

というものでした。


ちょっと今では不適切な事例であることは重々承知ですが、当時浜学園の学園長をされていたM先生(私が講師在任中に別の塾に移籍。今はもう鬼籍に入られたそうです…)の頭は頭髪の関係で光をよく反射する(一説にはもはや自ら発光キラキラしているという噂もまことしやかにあり)ということが、当時の浜学園では鉄板のネタでした。


それはM先生も半ば公認だったはずで、その証拠に、理科の浜学園オリジナルテキストでは、豆電球は「光源P」ならぬ「光源M」と表記されることもしばしばあったくらいです(笑


しかも私が塾生時代にもらったテキストでは、「光源M」表記の問題の横にM先生の顔写真が印刷されており、「この人物は光源Mとは一切関係ありません」という表記まで…このテキストを塾生時代にみた幼きくま先生も、これを見てめちゃくちゃ笑ったのをいまだに覚えています(笑


この(当時の浜学園生なら誰でも知っている&親しみのもてる)M先生ネタを例に、上記の文章は何を言っているかを生徒に答えさせるのです。

 

そのときに、「えーそれって、●ゲってことでしょ~」と言ってきた生徒にたいしては、「それは比喩変換としては0点!物申すと叱り飛ばします。

 

なぜでしょうか? 

 

構造が保存されていないからです。この例文の場合、比喩になっているのは「太陽」の部分だけなので、残りの部分はそのままにする必要があります。

 

つまり

 

「M先生の頭は●●だ」というように、比喩の部分だけに注目して言い換える必要があるのです。

 

 

 イメージの保存


次にイメージの保存です。

 

比喩の持つイメージをきっちり変換後の表現にも残すことが大事です。


この場合は、「太陽」のイメージ、すなわち「光っている」とか「輝いている」といったワードが変換後にも必須になります。

 

下の比喩のイメージを頭に浮かべながら、それに共通したイメージのある表現を探すことで、解答につながる表現を発見しやすくなりますし、仮に見つからず自分の言葉で書いた場合も、その表現がもとの比喩から連想される「イメージ」に合致しているかを確かめることで、自分の答案が正しい方向かを検証することができます。



予シリで実践! 

 

この「構造保存」と「イメージ保存」を意識するだけで、比喩変換は格段に上達します。


予習シリーズ第7回の基本問題で実践してみましょう。

 

問2

ここでは、語彙力を鍛えることが将棋の「手駒を増やす」という比喩で表現され、ある状況を表現する場合に「枚挙にいとまがない」という表現をうまく出すことができた人物に対して、筆者が、その表現こそ、この場面では「打たれるべき『歩』だった」と書いています。そして、設問では、「打たれるべき歩」とはどういうことかを説明することが求められています。

 

これをどう考えるべきでしょうか?

 

まずは構造保存です。ここで比喩になっているのは「打つ」と「歩」だけですよね。ということは、比喩変換後の表現は、

 

「●●れるべき●●」となるはずです。

 

ここで、「歩を打つ」というのが、「たくさんある手駒の中からその場に最もよいものを選び打つ」イメージだということに思い至れば、「歩を打つ=言葉を選んで表現する」という形に言い換えられることに気付けるはずです。

 

そうすると、この比喩は、簡単に言えば

 

「表現されるべき言葉」「選ばれるべき言葉」と変換可能です。あとは、制限字数に合わせて説明を追加・補足すればよいだけで、例えば30字程度なら、

 

「その場を表現するために選択されるのがふさわしい言葉」

 

とするのがよいでしょう。(模範解答は「言いたいことを表すのにぴったりする言葉」としており、「●●れる」の受け身の構造が保存されていないことや、歩という駒を「選ぶ」というイメージが保存されていないので、個人的にはやや△です)

 

問8

 

問8は、「体育が子供たちの体を作るように、それら(=実用的とはいえない言葉を教科書に入れること)が国の言葉を作る」といった表現がある中で、「体育が子供たちの体を作る」とはどういうことかを答えさせるものでした。この問は、ほぼどんぴしゃの言い換え表現が文章中にあったので簡単でしたが、仮にそれがなかった(あるいは見つからなかった場合)には、

 

「体育が子供たちの体を作る」のうち、比喩の部分は「体育」「体を作る」なので、構造保存により、答案は

 

「●●が子供たちの●●を●●」となるはずで、

 

あとは「体育」「体を作る」のイメージを保存することに注意して、「体育=(実用性とはいえない言葉も教科書に入れて)教育すること」「体を作る=(国語力)を身に着けさせること/養うこと」だと考えれば、

 

「実用的とはいえない言葉も教科書に入れて教育することが、子供たちの国語力を養うこと」

 

といった答案が作れるはずです。「体育」の「教育」的イメージ、「体を作る」の「力が身につく」イメージがきちんと答案に反映されていますよね。

 

このように、構造とイメージを保存することで、一つ一つの表現に気を配りながら、「自分はきちんと一つ一つの比喩表現を理解していますよ」ということをアピールできる良い答案を作れるようになるのです。

 

これはかなり即効性のあるテクニックですし、大学受験までずっと使えるテクニックなので、ぜひ使ってもらえればと思います!

 

 

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ブログの紹介にっこり
 
元浜学園国語科講師で自身中学/大学/院/国家Ⅰ種/司法試験とあらゆる試験を一発合格してきた自称「受験のプロ」で、現役弁護士でもある「くま先生」が、国語が大の苦手な息子のこぐま(早稲アカから27中受予定)に伴走する受験記
 

 

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