どういう「考え方」で志望校を選ぶか?
受験は不確実性との戦いです。
不確実な未来に対して、最も「合理的」な戦略とは何かを研究した理論の一つに「ゲーム理論」というものがあります。
このゲーム理論、志望校をどういう「考え方」で選ぶかという問題に大きな示唆を与えくれます。簡単に紹介しましょう。
満足度(利得)を数値化
ゲーム理論では、利得を数値化し、各プレイヤーがその利得を最大化するための戦略を考えます。
受験でいえば、お子さん•ご家庭の満足度が利得と言えるでしょう。仮にこんな事例を考えてみます。
- 事例:四谷くん
は2/1にチャレンジ校A、適正校B、安全校Cの3校のうちどれを受験しようか迷っています。各校の合格率及び合格/不合格の場合の満足度は以下のとおりとします。このとき、四谷くんはどの学校を受けるのが一番良いでしょうか?
もちろん、現実には併願校などもあり、チャレンジ校に落ちたからといって満足度0なんてことはありませんし、安全校だからといって合格率が100%ということもありませんが、なるべくシンプルに考えた方が理解しやすいのでこの事例でいきましょう。
どの戦略をとりますか?
さて、みなさんは受験生あるいはその親として、2/1どこの学校を受けるか選ぶわけですが、どうやって選びますか?
この時、戦略には様々なものが考えられます。ゲーム理論ではどのようなものがあるか、見てみましょう。
マキシマックス戦略
まずはこれです。簡単に言えば、最大の満足度を得られるチャンスがあればそれに賭ける
というものです。設例でいえば、受かれば一番満足度の高いのはチャレンジ校Aなのだから、問答無用でAを受ける!ということになります。
いうなれば楽天家の戦略です。早稲アカの戦略も極論すればこれでしょうね。
マキシミン戦略
マキシマックスと対照的なものがこのマキシミン戦略です。簡単に言えば、一番悲観的なシナリオを想定して、その中で一番マシなものを選ぶというものです。いうなれば悲観論者の戦略です。
設例で言えば、チャレンジ校Aや適正校Bで落ちてしまったら元も子もない、であれば確実に受かるCを受けよう!ということになります。
期待値戦略
数値化できるかはどうかはさておき、多くのご家庭が無意識的にとられている戦略がこれでしょう。設例でいえば、チャレンジ校Aの満足度の期待値は100×30%=30、適正校Bは60×60%=36、安全校Cは30×100%=30なので最も満足度の期待値が高いBを受けよう!ということになります。
しかし、例えば10%で10億円もらえるが90%は0円のくじと、99%で1億円もらえるくじだと、期待値は前者の方が大きいですが、みんな後者のくじを選ぶということからわかるように、常に期待値の高い行動が合理的かというとそうでないのもまた事実です。
ミニマックス•リグレット基準戦略
これは、端的にいえば、後からくよくよする事態をなるべく避ける戦略です。
設例でいえば、
- チャレンジ校Aに受かると後悔は0。落ちると「適正校Bを受ければ受かってたのに!」という後悔が60-0=60発生。
- 適正校Bに受かっても、「チャレンジ校Aを受けていても受かってた(かもしれない)のに!」という後悔が100-60=40発生。落ちると「安全校Cを受ければ受かってたのに!」という後悔が30-0=30発生
- 安全校Cに受かっても、「チャレンジ校Aを受けていても受かってた(かもしれない)のに!」という後悔が100-30=70発生
これが良い!という戦略はない
ゲーム理論は、相手がいる対戦型のゲームであればどういう戦略が有効かといった分析はある程度可能ですが、今回のようなケースではどの戦略が良い/悪いと言った結論を出してくれるわけではありません。
ただ、これらの設例から分かるように、採用する戦略が異なると、取るべき「合理的」な選択肢が変わってきます。
「理屈」に様々な種類がある以上、何が理屈に合う=「合理的」かということも、採用する戦略次第で変わるということですね。
そのため、お子さんや保護者の皆さんが、どの戦略に基づいて志望校を選ぶのかはしっかり話しあっておく(お子さんと保護者さんで採用する戦略が異なる場合はしっかり話し合って戦略の違いをお互いに理解する)ことが必要です。
我が家は、両親そろって手堅くマキシミン戦略でいくべきだと今は思っていますが、当のこぐまはSS1クラスの雰囲気に染まって他の戦略も(無意識的に)考えているご様子。我が家も、もう少ししたらきっちり話し合わないといけませんね。
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