どんな子が伸びる / どんな子がうかるのか?
塾講師をある程度長くやってくると、これまでの成績に関係なく、
あ、この子は伸びてくるな![]()
とか、
あ、この子は今の偏差値は足りないけど逆転で合格できるかも![]()
といった直感のような感覚を経験によって得ることができます。逆もしかりで、今成績が良い子でも、
この子はちょっと危ないかも…![]()
という直感を感じることもあり、いずれの感覚も経験を積むごとに精度が上がってきます。
ではこの感覚がどこから来るのでしょうか? これを言語化して分析している記事はあまり見かけないのでやってみることにします。
成績向上・逆転合格のしやすさで受験生のタイプを6つに分類してみた
成績向上・逆転合格のしやすさ(あるいは逆に成績低下・逆転不合格の起こりやすさ)を念頭に受験生を以下の6つに分類してみました。
タイプⅣ:悲壮感タイプ
早速見ていきましょう。なお、これらのタイプはある程度先天的なところもありますが、お子さんの成長や塾との関わり(先生やクラスの雰囲気など)によって別のタイプに変化することもあることにご注意ください。
タイプⅠ:知的興奮タイプ

これが最強です。
受験勉強で知識を得ること自体が楽しく、知的興奮のために受験勉強するタイプです。なんで受験勉強するの?と聞いたら、
と目をキラキラ
させながら答える子達です。このような子は成績の伸び具合も良く、偏差値が足りなくても逆転で合格する割合も高いです。
他のタイプよりも効率よく自走でき、様々な知識を自分の血肉と化していることが、成績向上/逆転合格の秘訣なのだろうと思います。
さらにこのタイプのよいところは、このタイプの子が一定数いると、クラス全体に知的興奮を楽しむ空気が波及する(タイプの異なる生徒をタイプⅠに変える力がある)ことです。何人かの知的興奮型の生徒が火付け役となり、講師がその熱をうまくコントロールし、クラス全体で受験勉強自体を楽しむ空気をつくったクラスでは、信じられないような奇跡
(最難関校全員合格や成績的に難しいと見られていた子の逆転合格)がしばしば起こります。(ただし、その場合は他の生徒がもともと後述のタイプⅡかⅢであった場合がほとんどです。したがって、どんな優れた講師でもこのような奇跡を毎年起こせるわけではありません)。
よく、塾の先生が「自分のクラスで最難関の◯◯中に全員合格しました!」「偏差値〇〇からの大逆転合格!」といったウソみたいな宣伝をしていますが、実はあれは上記の条件がそろえば(クラスの中に成績が多少足りない子や科目の凸凹がある子がいても)実際にしばしば起こる現象なのです(私のクラスでもありました
)。
タイプⅡ:修行僧タイプ

一つの道を極めるがごとく受験道という修行にはげむタイプです。「絶対に受かってやる![]()
!」という強い思いを自分の意思として持っているのが特徴です。なんで受験勉強するの?と聞いたら、
と目をギラギラ/メラメラ
させながら答える子達です。自分の意思として行きたい学校が明確に定まっている子や、中学受験で思わぬ失敗をして高校受験でリベンジする子に多いです。
このような子達は、地頭の良さに比例するところは(正直)あるものの、安定して成績を伸ばしていき、大逆転の可能性こそ知的興奮タイプに劣るものの、成績どおりの結果を出す子がほとんどです。
クラスへの波及効果は知的興奮タイプに比べるとやや弱く、「あの子めっちゃ勉強してるよねー
」と畏敬の眼差しで見られることはあっても、他のタイプの子を修行僧タイプにすることは通常できません。
塾講師の力量やクラスの雰囲気次第でタイプⅠに変えることも可能で、そうなると従来のモチベーションの高さと相まって、合格間違いなし
です。
タイプⅢ:飄々タイプ

特に明確な目的意識はないものの、勉強自体はやればできるし嫌いではないため、そつなく言われたことをこなしていくタイプです。知的興奮というより、ゲーム感覚で受験という高難度ゲームをクリアすることに快感を覚える人もこのタイプでしょう。
なんで受験勉強するの?と聞いたら、
とニコニコしながら飄々といい成績をとってくる子達です。突出して地頭が良い子はこのタイプに多い気がします(知的興奮すらさほど感じることなく世の理をスポンジが水を吸収するがごとく頭に入れられるような子)。そしてそのような地頭突出型のタイプⅢの子たちは研究者などアカデミックの道に進む例が多いように思います。
タイプⅡと同じく、成績の伸び具合は地頭の良さに比例するところはあるものの、安定して成績を伸ばす子が多いです。そして、大逆転の可能性こそ知的興奮タイプに劣るものの、成績どおりの結果を出す子がほとんどです。
クラスへの波及効果はほとんどなく、単純に目立たないか、突出して地頭が良い子は、「授業中はあまり目立たないけど成績はすごい」みたいな子が多いです。
塾講師の力量やクラスの雰囲気次第でタイプⅠに変えることも可能で、そうなると元のポテンシャルの高さと相まって、非常に強い
です。
タイプⅣ:悲壮感タイプ

勉強を苦行ととらえ、つらいがやらないといけない!という義務感から勉強するのが特徴です。
なんで受験勉強するの?と聞いたら、
とやや目をそらしながら答える子達です。自分の意思が弱く、勉強も決して好きではないけれど、素直で従順なにめに、親に言われたから、とか(高校受験の場合)受験勉強しなければならないからといった外部の要因から勉強に励むようになったタイプです。
一見修行僧タイプと似ており、成績もしっかり上がっていく子が比較的多いのですが、意思の弱さゆえか、プレッシャーに弱く本番に弱い子が一定数いるのが特徴です。このタイプの子は偏差値的には問題なくても、本番で思わぬミスをして不合格…というリスクがあり、塾講師としては警戒・対策が必要です。
また、もともと勉強を苦行と捉える傾向があるので、タイプⅢやⅣの子みたいに講師の力やクラスの雰囲気で知的興奮タイプに変えていくことがかなり難しく、このタイプの子が多いクラスだと、講師はかなり苦労します。
タイプⅤ:低気力タイプ

一言で言えばヤル気がない子達です。なんで受験勉強するの?と聞いても、
と多くを語らない子達です。大手進学塾では(ある程度気力のある子でないと入学試験に受からないため)少数派すが、まれに現れます。
このタイプを知的興奮タイプに変えられればそれこそカリスマ講師
なのでしょうが、私の経験上、これは容易なことではなく、特に相手が中学生(高校受験)ともなると思春期ならではの反発も入ってきて、相当難しくなります。
これらの子達は、入試が近づくと大抵急にそわそわし始めますが、時すでに遅しで、タイプⅣの悲壮感を漂わせるレベルにすら至ることなく、成績も伸びず、基本的に芳しくない結果になります。
タイプⅥ:お調子者タイプ

自分の好きなことだけ取り組み、あとは知らんという子達です。なんで受験勉強するの?と聞いたら、
とぬけぬけと言うような子達です。授業中に授業の内容と関係のない私語をして講師を困らせるのはたいていこのタイプの子達です。
成績にムラがあり、結果が読めないのが特徴。まさかの大逆転合格をする場合もあれば、まさかの逆転不合格の憂き目にあうことも。
特定の科目(あるいは特定の分野)だけ知的興奮型になり、他の科目は低気力型というハイブリッド型のようなイメージです。
なお、このタイプの子は、地頭突出の飄々タイプと同じくらい、大人になると研究者として大成する人が多い気がします。「あの頃はあんなにやんちゃだったのに、こんなに立派になって…」と大人になって言われるタイプです。
みなさんのお子さんはどのタイプ?
いざどんな子が伸びるか、受かるかを言語化するとなると結構苦労しましたが、こんな感じです。
ちなみに、私の家族親戚でみても、さまざまなタイプがいます。
私:典型的なタイプⅠ(知的興奮型タイプ)
。
妻:典型的なタイプⅢ(飄々タイプ)
。帰国子女で大した受験勉強をやってこなかったにもかかわらず、地頭の良さにものを言わせ、司法試験で初めて受験勉強を真面目にやって一発合格
(ゆえに中学受験懐疑派に)。
こぐま:タイプⅥ(お調子者)
っぽいところもあるが、どちらというとタイプⅢ(飄々タイプ)
。
私の弟:典型的なタイプⅥ(お調子者型)
。理系科目が突出してできたが国語は壊滅的だった弟は旧帝大医学部を出て現在は大学病院勤め。
私の妹:典型的なタイプⅣ(悲壮感タイプ)
。お願いされて私が教えるとなぜかいつも泣いていた
。中学受験や大学受験で足をすくわれるも、浪人してタイプⅡ(修行僧タイプ)
に切り替わり、旧帝大にリベンジ成功。
この例でもわかるように、タイプⅣの悲壮感タイプは受験においてはやはり不利。
親や外部要因にやらされる勉強ではなく、自分の意思による勉強だと意識を切り替えることで、タイプⅡの修行僧タイプに切り替わり、その上で塾の先生やクラスの雰囲気の影響でタイプⅠの知的興奮タイプになると最高ですね!






