『古代メソポタミア飯』遠藤雅司(まさし)著(大和書房)を読みました。

 

神々に捧げた羊の香草焼き、古代の王が食べた豆のリゾット、太陽神が雨のように降らせた焼き菓子クック。4千年前の粘土板に刻まれし「最古の料理」と「最古の文学」を読みとき、現代によみがえらせた再現レシピ28品&謎とき歴史エッセイ。


本書では、古代メソポタミアの粘土書板に楔形文字で記されたレシピや食の記述を翻訳し、当時食べられていた料理を推測して、現代の家庭用に再現&アレンジしました。
同時に、古代メソポタミアから伝わる最古の文学『ギルガメシュ叙事詩』を読みとき、主にその食の記述から、さらに当時の食、古代メソポタミアのリアルに迫っています。
叙事詩の登場人物である古代王ギルガメシュとエンキドゥは何を食べていたのかに想いを馳せつつ、物語と古代の世界にどっぶり浸れる歴史エッセイ&レシピ本です。原文そのままの古代レシピと翻訳も同時収録。

 

古代の粘土書板の翻字・翻訳協力は古代オリエント博物館館長で、『ギルガメシュ叙事詩』の翻訳者でもある月本昭男さん、監修は古代オリエント博物館です。

 

表紙も、全体的な本の装丁も茶色っぽくて、古代感が高まります。ラブラブ

 

表紙は「ブトゥットゥム キシャーヌ」(まったく覚えられる気がしません・・・)。

豆のリゾットです。

犬の餌・・・?わんわんという外観ですが、ピスタチオが入っているそうなので、ピスタチオ好きな私は是非食べてみたいと思いました。

 

『鬼滅の刃』の大正コソコソ話みたいに、ところどころに古代メソポタミアコソコソ話(略してメソコソ話)がさしはさまれているのも面白いです。

古代料理のレシピと、ギルガメシュ叙事詩の概要を知ることができる本です。

 

原文レシピつきなのですが、例えば魚料理スフルガルのレシピは、

 

 魚よ、仲間を拒まずにいなさい

 我が魚たちよ、いろいろな魚たちも一緒に入ってきますように

 きれいな髭を生やし、ウラル植物を食べる

 私の魚、私のスフルガルが鯉、あなとともに入ることでしょう

 

えーっ これで料理作れって言われても・・・ガーン という感じですが、

実際の再現レシピはスパイスの効いた魚のオーブン料理でおいしそうなのでご安心を。

鯉を手に居れるのが難しそうですけどね。あせる

 

手軽にギルガメシュ叙事詩を知りたい方は、ルドミラ・ゼーマンが描いた岩波書店のギルガメシュ王のものがたり、全三冊セットがおすすめです。