2010年5月31日(月)

夕方、新国立美術館にルーシー・リー展を観にいった。

So What ? 日記-ルーシー・リー展チケット


陶磁器は全くの門外漢だが、去年の春、NHKの「新・日曜美術館」で、三宅一生のコレクションを中心にした展覧会の特集を見て、ルーシー・リーの作品に強烈な印象を受けた。

小柄な女性が自分のアパートの電気炉で作っているとは思えない、スカッとしたダイナミックな、でも大仰なところの全くないエレガントさにすっかりファンになった。
庭に建てたプレハブ小屋でロクロを回している私の父にももしかしたらああいうものが作れるのではないか、という(勘違いな)思いを抱かせるような、さり気ない小規模な制作ぶり。

So What ? 日記-ルーシー・リー展カタログ


観にいって良かった。
やはり、清々しくてモダン。見ていて気分がいい。
ルーシー・リーのカップ&ソーサーが欲しい。
(ルーシー・リーが戦中戦後に制作したボタンは、美術館のショップで売られていた。レプリカかもしれないが高価だった)


見終わった後、新国立美術館...........実は初めて行った........のあちこちを見て回った。

で、つい、3Fの「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」でオノボリさんよろしくディナーしてしまった。
ポール・ボキューズのレストランのお手軽版ナリ。
場合によっては、その展覧会の企画にちなんだコースメニューも作られるようである。
(ルーシー・リーのはなかった。)

で、私たちが食べたのは「ポール・ボキューズ・トラディション メニュー」。

So What ? 日記-メニュー


前菜の前のアミューズ・ドゥ・ブッシュがレバペースト。

So What ? 日記-レバペースト


メニューには触れられてなかったので、小さなココット皿に乗って出てきたときは、バターでも出てきたのかと思った。
これはおいしかった。塩気が薄めで、そこが他の店と違う。
バゲットにつけて食べながら前菜(あらかじめ、20分くらいかかります、というアナウンスあり)を待つ。

So What ? 日記-パン



前菜は「1975年にエリゼ宮にてヴァレリー・ジスカール・デスタン大統領に捧げたトリュフのスープ」という大層な名前のスープ。
前菜でスープかよ?!という感じがしたが。

So What ? 日記-トリュフのスープ


So What ? 日記-トリュフのスープ2


パイ生地のふたをはずすと、中身はオニオングラタンのようなスープにフォアグラとスライスした黒トリュフ。
ふたのパイはなかなか美味しかった...........。

そのあとは、私は魚、つれあいは肉にした。

魚は「リヨン風スズキの軽いクネルと手長海老のポワレ アメリケーヌソース」。
写真がちょっとひどい...........。

So What ? 日記-クネル


クネルとははんぺんに近いようなごく軽いムース様の代物。それ自体は淡い味わい。手長海老の焼いたものが3箇所くらい飾ってあり、そこに海老の殻や海老ミソで作った濃厚なソースがかかっている。
ソースでおなかがいっぱいになる。というか、なかなかクドいのでイヤでも満腹感が湧いてきた。


肉は「牛フィレ肉とフォアグラのソテー リヨン風グラタン添え マデラ酒ソース」。

So What ? 日記-フィレ+フォアグラ

牛の小さいステーキとフォアグラが重なって出てくる。
これも濃厚。
グラタンは別皿で出てくる。

So What ? 日記-グラタン

ペンネが入っていたが、特にどうということはない感じ。


「トラディション」と名乗るだけあって、肉も魚もドラッドな濃厚料理。

せっかくだからチーズもごく少量いただいてみた。

So What ? 日記-チーズ


右側の、表面が少し青い粉をふいたようなものは、ヤギのチーズ。濃厚。
左側の茶色い衣がついたのは、カルヴァドスなどに漬けた(食感はカマンベールに近いような)甘い香りのするチーズ。

デザートは、私のは「チョコレートのタルト フォンダン仕立て」。

So What ? 日記-チョコタルト

鼻血が出そうな濃厚なチョコレートのタルトにチョコレートのシャーベットが添えられている。

So What ? 日記-ポート

せっかくだから、いっしょにトーニー・ポートを1杯。
写真で見ると見た目は赤ワインに似ているが、いい感じ。

つれあいのデザートはクレーム・ブリュレ。「ムッシュ ポール・ボキューズの」と銘打たれているだけあって、これもなかなかよかった。

So What ? 日記-クレーム・ブリュレ

表面はカタラーナと同様にバーナーで焼いてある。

振り返ってみると、アミューズのレバ・ペースト(ムースと呼ぶべきか?)とデザートはすごく良かった。
あと、今日はつれあいが飲めなかった(運転手)ので、私だけヴァン・ムスー(スパークリングワイン)とハウスワインの白・赤を一杯ずつ飲んだが、ここの一番安いハウスワインは白も赤も美味しかった。

このコースで7,350円は、お買得感はビミョ~だが、空間の素晴らしさとサービスのお行儀の良さで、まあまあ腹も立たない程度か。

写真に写っているのは1Fのティールーム(たぶん)。
この写真の左側の筒(というか円錐様のコンクリートの大柱の上(3F)が「ポール・ボキューズ~」。

So What ? 日記-新国立美術館


オノボリさんだから、グダグダと文句言うのは余計ヤボかも。
で、「ひらまつ」と提携してやっている店だとか.............。