春があっという間に過ぎ去り、徐々に初夏の趣になってきました。
暑くなると売れ行きが上がるのがビールです。
パーッとお酒を飲んで、暑気払いなんてこともありますよね。
そんな楽しいお酒も、飲みすぎると大きなトラブルに発展してしまいます。
酔いつぶれて鍵をなくしたり、目が覚めたら知らない駅だったり・・・
しかし、今は飲みすぎないようにする薬が開発されたました。
という事で今回は、お酒の飲みすぎも薬でコントロールする時代到来か?アルコール依存症治療についてご紹介します。
なお、私はアルコール依存症と診断され治療を受けましたが、比較的に軽微な部類でした。
依存症がもっと進むと、今回の記事が参考になりませんのでご注意ください。
アルコール依存症とは?
アルコール依存症とは、脳の機能異常です。
人間の体は、幸せを感じた時にドーパミンが作られるようになっています。
空腹時にご飯を食べて幸せ、天気のいい日に外を歩けて幸せ・・・と色々なタイミングでドーパミンが放出されます。
これは飲酒にも同じことが言えて、お酒を飲むと脳からドーパミンが放出されて幸せを感じることができます。
普通の人であれば、お酒を飲む快楽というメリットと飲みすぎることのデメリットを天秤にかけて飲みすぎることがありません。
しかし、飲みすぎるのが普通になってしまった人は、メリット・デメリットを判断する認知機能が低下してしまうのです。
そして、もっと強い快楽を求めてどんどん依存が進んでいってしまいます。
それ以外にも東北大学などの研究により、継続的な飲酒はドーパミンで幸せを感じるドーパミン受容体の数を増やすと明らかにされました。
同じ量のドーパミンでも継続的な飲酒をしている人のほうがドーパミンに対して過剰に反応します。
その為、飲酒量がどんどん増えていってしまうのです。
本来であれば働く自制心が機能しなくなってしまった状態をアルコール依存症といいます。
依存症のメカニズムやドーパミンについて、以下の本がわかりやすいです。
十年以上前にギャンブルにのめりこんでいた時に読みました。
このおかげでギャンブルから立ち直れたといっても過言ではない本です。
アルコール依存症の怖さ。。。治療しても治らない病
アルコール依存症の怖さは、病気ではないということにあります。
みなさんが今はまっているものは何でしょうか?
例えばSNSやスマホゲームのガチャだったり・・・
ついついSNSに手を出したら一日が終了していたなんてことありませんか?
今日は片付けるはずだったのに、一日中動画を見てしまったりとか・・・
この「やめたいのに、やめられない」状態を依存症と呼びます。
私の場合、平日は軽い晩酌程度にしか飲みませんので平日は問題ありませんでした。
しかし、週末になると夕方からそわそわし始めて、定時とともに夜の街に繰り出していました。
最後のほうは毎回記憶をなくしていましたので、何とかして飲みに行かないようにあの手この手で策を講じました。
例えば、あえて自宅に財布を置いてきたり、翌日朝早くから予定を入れたり・・・
それでも結局お酒を飲みたい誘惑には勝つことができず、誰かにお金を借りてでも飲みに行ってしまうのです。
翌朝は罪悪感で本当に消えてしまいたくなりますが、また翌週末にはお酒を飲みに行ってしまいます。
最近は順調に治療が進んでいるおかげか、飲みに行く機会が減りました。
しかし週末のお酒を飲みたい強い衝動は、数か月たった今でも一向に減る機会がありません。
お酒を断たない限りずーっとついて回るもののようで、飲みすぎるリスクと隣り合わせの人生を送るしかありません。
アルコール依存症の恐ろしいところは、薬を飲んで完治する病気と違い、ずーと治らないことにあります。
お酒と距離を保てるようになるだけであって、お酒を飲みたくなくなるわけではないのが一番つらいです。
アルコール依存症の治療とお薬について
アルコール依存症の治療は、完全に断酒するものと量をコントロールするものにわかれています。
- 抗酒薬・・・手っ取り早く二日酔いに似た症状を引き起こす薬です。体内にアルコールが入るとアセトアルデヒドに分解されます。アセトアルデヒドは有害な物質なので肝臓で除去されます。肝臓で除去されないように阻害する薬が抗酒薬の機能です。
- セリンクロ・・・お酒を飲んでもドーパミンが放出されにくくなる薬です。決して酔っぱらわない薬ではありませんが、飲んでも気持ちよくならない不思議な薬です。副作用としてめまいや抑うつ状態を発症しやすいようです。
アルコール依存症から脱するには
アルコール依存症から脱するには、以下の二つが必要です。
- ドーパミンを放出する代案を作る
- 自分の飲酒状況と向き合う
まずは「ドーパミンを放出する代案を作ること」から考えてみましょう。
ドーパミンは、うれしいと思ったときにに分泌されます。
趣味に打ち込んでいるときや、何かを達成できたとき、また人から褒められたときにうれしいと感じますよね。
今までアルコールにより得ていた幸福感を、別の行為で得る必要があります。
例えば適度な運動であったり、パズルなど明確なゴールのある趣味などがいいでしょう。
飲酒以外でドーパミンを放出できれば、飲酒時間と置き換えることが可能になります。
次に、「自分の飲酒状況と向き合うこと」について考えましょう。
私の場合は、もともと飲酒後の罪悪感が強くありました。
それでもお酒を断つことができず、何とかしなきゃなと漠然と悩んでいました。
週末は6号~7号ほど日本酒を飲んでいましたが、昔は1升近く飲んでいたので量を飲みすぎている自覚は薄かったです。
また、お酒を飲んでトラブルになったこともありますが、たまたま運が悪かっただけと甘く考えていた面もありました。
どう考えても飲酒が生活に支障をきたしていましたが、それに気づくことができない状態でした。
自分の飲酒状況と向き合うことができないと、どんなに罪悪感を抱えていても前に進みません。
しっかりと治療が必要なことを認識する必要があります。
お酒は何より適量です
最近よく見かけるサントリーのCMのフレーズです。
アルコール依存症の治療中の私にとって、すごい突き刺さるCMです。
周りのみんなが適量なお酒を楽しんでいるのに、なんで自分だけそれができないのか?
なぜ飲みすぎてお財布から鍵まで全部なくしたのに、翌週飲みに行くとまた同じことを繰り返すのか?
ブラックアウトした後に2軒も3軒もはしごして、記憶にない飲酒にお金を払う意味は何なのか?
そんなことをぼんやりと反省しながら、それでも繰り返す人生を送ってきました。
ここにきて治療を開始できて、それでいて断酒することなく生活できているのは幸せなのかもしれません。
最近はお酒の席に誘われても、飲みすぎることなく帰ることができています。
今はお酒の飲みすぎも薬でコントロールする時代になったのだと思います。
お酒のトラブルに心当たりのある方は、ぜひ一度依存症外来にいって相談してみてください。
