奈良県生駒市 長弓寺 本堂（国宝）

長弓寺。
山号は真弓山。真言律宗の寺院。
創建年は不明だが、聖武天皇の勅願により行基が開基したという。
伝承によると、神亀5年(728年)この地の豪族真弓長弓と養子長麿が
聖武天皇に従い狩猟を行った際、誤って長麿が真弓をあやめてしまい（親子相うちとも）、
それを哀れんだ聖武天皇の命により建立された寺院。
平安時代になると藤原良継が伽藍を中興したといわれ（平安末期に焼失と伝わる）、
その後鎌倉時代後期に真言律宗の開祖叡尊により再興された。
現存の本堂はその時のもの。

長弓寺本寺には住職はおらず、4つの塔頭(薬師院・円生院・法華院・宝光院)が
輪番制で管理している。



大門。
駐車場はこの少し先。



境内奥が本堂。
左側(西側)に円生院・法華院・宝光院があり、
右側(東側)に薬師院・伊弉諾神社がある。



円生院。
塔頭の1つ。



伊弉諾神社。
長弓寺の鎮守社。



鐘楼。
梵鐘はまゆみの鐘とよばれている。



本堂。
正面は南向き。
弘安2年(1279年)建立。
入母屋造、桧皮葺。
国宝。


本堂東側。
本尊十一面観音立像は黒漆厨子内に安置されている。
共に国重要文化財。



大師堂。
長弓寺は大和十三仏霊場の1つに数えられ、
そのうちの1つ勢至菩薩が祀られている。


長弓寺にはかつて本堂と同時期に建立されたという三重塔があった。
この三重塔は早くに2・3層部分を失っており、近世には既に初層部分のみだったという。
その初層も昭和9年(1934年)の室戸台風により本堂の屋根が大破した際、修理費用捻出の為に
売却された。

初層は鎌倉へと移築された後、昭和29年(1954年)に高輪プリンスホテルの手に渡り、
現在も同ホテルの日本庭園内に「観音堂」という名で現存している。



所在地　　奈良県生駒市上町4443
境内自由
駐車場　　有（無料）