苗村神社。
創建は不明。
延喜式神名帳に名を残す長寸神社がこの社といわれている。
延喜式神名帳は延長5年(927年)の編纂。
寛仁元年(1017年)、朝廷に長寸郷より門松用の松苗を献上し、
後一条天皇より苗村の称号を賜り苗村神社と改称したという。

近郷33ヶ村の氏神で、33年に1度行われる式年大祭(三十三年大祭)がある。
元は毎年9月5日に氏子33ヶ村が列座する大祭として行われていたが、
慶長4年(1599年)から33年に1度行うものとなった。
次回は平成26年10月11~13日の3日間で行われる予定。

主祭神は那牟羅彦神・那牟羅姫神・国狭槌命。
国狭槌命は安和2年(969年)大和国金峯山より勧請された。
境内は県道を挟んで東本殿と西本殿とある。
ただし県道によって分断されたわけではなく建立当時から参道があったらしい。
また、神仏習合の名残も多い神社でもある。


$史跡へ行こう!ブログ-苗村神社西本殿の鳥居
西本殿境内入口の鳥居。


$史跡へ行こう!ブログ-苗村神社楼門
楼門。
応永年間(1394~1427年)頃の建立。
禅宗様が混在する。
国重要文化財。


$史跡へ行こう!ブログ-苗村神社拝殿か
西本殿の境内。
写真中央は拝殿。


$史跡へ行こう!ブログ-苗村神社西本殿
西本殿。
南向きに建つ。
徳治3年(1308年)建立。
三間社流造桧皮葺。
中央背面寄りに厨子が安置。
国宝。
那牟羅姫神・国狭槌命を祀る。


$史跡へ行こう!ブログ-苗村神社十禅師社本殿
十禅師社本殿。(写真右)
西本殿の右隣に建つ。
十禅師社とは天台宗護法新の一社。
室町時代中期の建立。
国重要文化財。


$史跡へ行こう!ブログ-苗村神社八幡社本殿
八幡社本殿。
西本殿の左隣に建つ。
室町時代中期の建立。
国重要文化財。

上の3つの社は塀で囲まれているので写真は撮りにくい。
神社にはよくある構造なのでここにに限ったことではありませんが。
そういう意味ではまだ撮りやすい方だったのかも。
とりあえず広角レンズはほしい。


$史跡へ行こう!ブログ-苗村神社神輿庫
神輿庫。
西本殿の東前方に建つ。
天文5年(1536年)建立。
国重要文化財。


$史跡へ行こう!ブログ-苗村神社不動明王
木造不動明王立像を安置する堂。
明治以前まで境内には苗村宮庵室と呼ばれていた僧坊があり、
不動明王像はその庵室の護摩堂の本尊であったらしい。
正月3が日と8月3日が開帳日。
不動明王像は国重要文化財。


$史跡へ行こう!ブログ-苗村神社東本殿鳥居
東本殿境内入口の鳥居。
前述の通り、西本殿とは県道を挟んでいる。


$史跡へ行こう!ブログ-苗村神社東本殿境内
東本殿の境内。
西の境内と違い森の中にある。
付近には古墳も確認されている。
写真中央が東本殿。


$史跡へ行こう!ブログ-苗村神社東本殿
東本殿。
拝殿や塀はない。
一間社流造檜皮葺。
那牟羅彦神・大国主命・素盞嗚尊を祀る。
室町時代中期の建立。
国重要文化財。

主祭神の那牟羅彦神・那牟羅姫神は当地方に初めて工芸技術を
伝え広められた産土の神であり苗村神社の祖神。
東本殿の大国主命・素盞嗚尊の勧請についてはよくわからなかった。



所在地  滋賀県蒲生郡竜王町綾戸467
境内自由
駐車場  有