さとくんとやぎ ~第20章~ | 家族

さとくんとやぎ ~第20章~

洞窟に入ると みんなはぼくがくるのを待っていました。

木のテ-ブルの上には こんがり焼けた肉や木の実などが並べてありました。


お腹がぺこぺこなので もう食べたくてたまりません。


ぼくが座ると おっとうが肉を切り始めました

みんなは木の実や魚をもくもくと食べ始めました


その時ゆ-ねが

「この肉は さとが世話をしていたやぎよ

おいしそおでしょう 

じ-じ-とわたしが料理したのよ やぎを殺す時大変だったんだから」 

と言いました


ぼくは悲しくなり 何とも言えない気持ちになって来ました


おっとうがみんなに肉を配り始めました

おっとうが 肉を口に入れようとしたとき


「食べないで」

と 目から大粒の涙を流しながらいっていました


みんなは キョトンとしてぼくのほうを見ていました


「何を言っているんだ・・・・

たべるぞ」

とおっとうがいいました


天まで届くほどの大きな声で

だ-め-

と叫びながら目を閉じていました


するとやさしいかあさんやぎの声が聞こえてきました

「さとくん泣かないで

きょうは さとくんの記念になるお祝いの日ですよ

さとくんに食べてもらえて幸せですよ

どんな形であれ命はいつか無くなるものです

他のやぎでなくてよかったと思っています

他のやぎはまだまだ若いから さとくんいろんなことを今までのように お話してあげてください

やぎたちには人を憎んではいけないと言っています

今迄のように さとくんと仲良くすると思います

大きくなって 強くて優しい人になってください

そして いいことと悪いことがはっきり言える人になってください

さとくんそんなに悲しまないで

わたしも生きているときは 花や草それに虫も食べていたのですよ

私を食べて元気をだしてね


みんなは驚き黙って ぼくのほうを見ていました


さとくんの心に光がさし 澄み切った声で

黙って食べないで

大切な命をいただくのだから

い・た・だ・き・ま・す

と言って食べて


それをきいた みんなのこころにも 自然と感謝のきもちがわいてきました

そして感謝をこめて

いただきますと言って食べ始めました


おわり