さとくんとやぎ ~第15章~
おひさまが 顔を出しはじめると目が覚めました。
おっとうとたけに-は、もう起きて出発の用意を始めていました。
周りを見ると 昨日拾ってきた 枯れ枝などがなくなっていました。
「枯れ枝は」
と聞くと
「さとが寝ている間 おっとうと交替で燃やし続けた」
「ェ- どうして」
「獣が 来ることがあるからさ」
「ぼく 手伝わなかった」
「おっとうが 疲れているからそっとしとけ と言ったから」
「わかった」
おっとうのそばに行き
「おっとう 」
と言うと
「今日からは、するんだぞ」
「わかった」
「おひさまが 真上に来ないうちに 聖地に行くぞ 険しいからさと頑張るんだぞ」
いままで こういう言葉をかけてくれたことがなかったので 胸が ギュ-となりうれしくなりました。
そこを後に出発
はじめは 調子よく登っていましたが
自分が 思っていた以上に険しく 足ががくがくと震えだし 聖地に着けるかと 心配になって来ました。
「もうすぐだぞ」
と ぼくの方を向いて おっとうがいいました。
たけに-が 「見えてきたぞ」
頑張るぞ でも 思うように足が上がりません。
槍を杖代わりに 3本足でがんばりました。
おっとうとたけに-との距離が だんだん離れてきました。
遠くのほうで
「石がきれいに 丸く輪になってない 3人が入れるようにするぞ」
「うん」
と聞こえてきました。
ぼくは 気になりヘトヘトニなりながら登って行きました。
やっと着くと お祈りの支度ができていました。
輪の中に入り ぼくが真中で3人とも座り おひさまに向かって手を揚げ そしてゆっくり手と頭を地面につけ この動作を3回繰り返し
そして たけに-とぼくは 頭を地面につけたまま おっとうはあぐらをかいて合掌をして祈りはじめました。
それが終わると ぼくが合掌しながら輪の周りをゆっくりと回り 儀式は終わりました。
ぼくは ほっとして水を飲もうとすると
「ここでは物を口にしてはいけない」
激しい怒鳴り声で おっとうがいいました。
10メ-トルほど下ると木陰がありました。
「休むぞ」
ぼくたちは そこで座って水をのみはじめました。
すると
おっとうがぼくの足をもんでくれました。いままでおっとうはこんなことを してくれたことがなかったので とてもうれしかったです。
言葉で何と言っていいかわかりませんでした。