■一瞬にして眠りを破るこむら返り
気持ちよく眠っていたのに、急にふくらはぎの筋肉(=こむら)がつって、目を覚ましてしまうことはありませんか? 睡眠医学で「睡眠関連下肢こむら返り」と呼ばれるこの現象は、一般人の16%以上が、50歳以上になるとほぼ全員が経験しています。
こむら返りは、睡眠中でも目覚めているときでも、同じようにして起こります。何らかの原因で2~3秒から数分間、ふくらはぎや足の筋肉が収縮して起こります。そのあとにも30分くらい、つったところの痛みや不快な感じが残ります。
■いろいろな病気や薬がこむら返りを起こす
健康な人でも、日中に脚の筋肉を使いすぎると、眠っている間にこむら返りを起こすことがあります。激しい運動や長時間の歩行、水泳の後になるのは、そのためです。
また、神経や筋肉を傷める病気にかかると、こむら返りが起こりやすくなります。糖尿病や肝硬変、甲状腺機能低下症、関節炎、腰椎の病気などが知られています。女性の場合は妊娠するとこむら返りが起こりやすくなりますが、多くの人は出産すると治ります。
さらに、降圧薬やフィブラート系の高脂血症治療薬、女性ホルモン剤および男性ホルモン剤などを飲んだり、インスリンを注射したりしていると、副作用として睡眠中にこむら返りが起こることがあります。アルコールも飲みすぎると危険ですから、注意が必要です。
■こむら返りの予防法
脚の筋肉を使いすぎたと思ったら、眠る前に十分、アキレス腱をストレッチしておきましょう。丁寧にマッサージするだけでも違います。ぬるめのお風呂にゆっくり入って足元を温めると予防になります。また、仰向けで重い掛け布団で寝ると、足首が伸びてふくらはぎの筋肉が緩み、こむら返りが起きやすくなります。横向きで眠るか、軽い掛け布団に替えてみましょう。
こむら返りが慢性的に起こるようになったら、早めに医師に相談しましょう。保険適用はありませんが、筋弛緩薬や抗てんかん薬、芍薬甘草湯などの漢方薬がよく処方されます。マグネシウムや亜鉛、ビタミンEが効くこともあります。
人によっては、「承山」や「承筋」のツボ押しも効果的です。承山は、アキレス腱の真ん中を膝のほうに上がってきて、硬い腱が柔らかい筋に変わるところにあります。承筋は、ふくらはぎの筋肉の一番太いところの真ん中にあります。これらのツボは予防だけでなく、起こったときの対処法にもなります。
■こむら返りが起こった時の対処法
こむら返りが起こったら、硬くなっている筋肉を伸ばすようにストレッチします。膝が伸びるように片手で押さえて座り、もう一方の手で足首をそらすように起こします。足の先にタオルなどをかけて引っ張ったり、人に足の裏を押してもらってもよいでしょう。立ってアキレス腱伸ばしの姿勢をとることでも、ふくらはぎの筋肉を伸ばせます。こむら返りが治ったら、筋肉をやさしくマッサージすると、痛みが早く軽くなります。

