久しぶりにまど・みちおさんの詩集を読んでいるが、読むたびに違った事を考えさせられます。
前には行間、文字間のスペースなんて気にならなかったのに今読んでみるとそこから、まどさんの想いが伝わってくるように感じられます。
「もう すんだとすれば」
もうすんだとすれば これからなのだ
あんらくなことが 苦しいのだ
暗いからこそ 明るいのだ
なんにも無いから すべてが有るのだ
見ているのは 見ていないのだ
分かっているのは 分かっていないのだ
押されているので 押しているのだ
落ちていきながら 昇っていくのだ
遅れすぎて 進んでいるのだ
一緒にいるときは ひとりぼっちなのだ
やかましいから 静かなのだ
黙っている方が しゃべっているのだ
笑っているだけ 泣いているのだ
ほめていたら けなしているのだ
うそつきは まあ正直者だ
おくびょう者ほど 勇ましいのだ