見上げれば秋色
君の心にかかる薄雲
そよぐ風に乗せた手紙はやがて
木枯らしに吸い込まれていった
胸に刺さった棘の先
ぽっかりと空いた穴もまた朱(あかね)色
いつか飾り箱にしまい込んだまま
記憶のドアの向こう側に潜む
他人行儀は空寒い
人恋しくて肌寒い
移ろう季節は枕を濡らす
殯(もがり)の列はすすり泣く
明けてもまた雨
頷きは沈黙の傘の下
枯葉の疼きが聞こえる
プラシッドブルーの空の色
落ちかけのマスカラが優しい
君の言葉に一喜一憂するように
蒼天に透けた虹の一層一層を指でなぞる
どれだけ言葉を重ねたら
真実へ届くのだろう
薄っぺらな僕の言葉は
枯葉のように積もり朽ち
蟻の行列の可逆性は
永遠に判定出来ない
退色したポスターのように
この瞬間も褪せていく記憶
今日も隙間を通り抜ける風と
まぶしすぎる空を見つめている
