ジョギング中の楽しみを見つけた。

土手では沢山の人が走ったり、歩いたり各々健康的な活動に励んでいる。週に数回ゆっくりジョギングするのが、コロナ禍で新たに始めた私の趣味だ。

自宅から1km走り土手に出る。2つの橋を渡り土手を一周するコースが私のお気に入りだ。河川に架かるこの2つの橋の間は約2.5km。晴れている日は空を見上げ、河川敷で行われているサッカーや野球、ラクロス等の練習を横目で楽しむ。

最近、面白いことに気付いた。

ジョギングやウォーキングですれ違う人のTシャツの文字とそのTシャツを着る人のギャップだ。

ゼーゼーと喘ぐ息で向かって来るやや小太りの中年男性。早足で歩くほどの早さでジョギングするこの男性の胸には「NO RUN NO LIFE」これでは彼も止まるわけには行かない。

カモシカのような脚で軽快な足音が近づいて通りすぎて行った。長身の男性の背中には「I'm a Champion」これは妥当だ。

日焼けを嫌い、つばひろの帽子を被りスカーフを首に巻いて、杖をつきながら歩く老女。淡いピンク色のTシャツの背中には イラストの中に「Perky Girl」 良いなあ🎵いつまでもハツラツとしていたいよね。お孫さんのお古かしら?

キャップから出た綺麗なポニーテールが、リズミカルに右、左にスウィングしている。向ってくる彼女は、いつからかすれ違う時にいつも「おはよう~🎵」と声を掛け合う中に。彼女の今日のTシャツは「Tokyo 2020 」だ。そうだったなあ。今年はオリンピックが開催されるはずだった。海外からの観光客が昨年は3,200万人にせまっていた。さぞかし盛大で賑やかなオリンピックになっていたことだろう。世界中誰もが予想だにしなかったこのコロナ状況。来年に延期されたオリンピックが無事に開催できれば良いなあ…なんて暫し考えながら足を運ぶ。


私の胸には、今日は「Just Do It」
有名なナイキだ。自分を鼓舞するためのお気に入りだ。10ヶ月近くに及ぶコロナ禍、自分の出来ることを、しっかりやっていこう。思いを改めながらもうひと頑張り、踏み出す足に力を入れて歩幅を大きくした。

土手を降りる階段で、可愛い少女と母親らしき一組に会った。少女の胸には「A Brighter Day」何だか嬉しくなった。

Tシャツに印刷された単なる文字に、マスクの下で思わず吹き出したり、ほんわか幸せな気分になっている自分が可笑しかった。