イアン達は、
暗い森の奥をひたすら歩く
これから
待ち構えている波乱を
イアンは想像していた
―もしこの場で死んだら?
俺、何も出来ないし、
守ってもらう事しか・・・
「イアン、よそ見をするな。」
エヴァが優しく声をかける
「あ・・・ああ。」
「お前が怖いのは分かる。
だが、進まなければならないのだよ。
あたし達は。」
「分かってるよ。」
エヴァはため息をして
ゆっくり口を開く
「心配するな。
あたしがイアンを守ってやる。」
「お前でも、ツラい所じゃないのかよ。」
「そうだな、
しかし、自分を犠牲にして
イアン、お前を守ることはできる。」
「エ・・・エヴァ・・・。」
イアンを見つめるその眼は、
本気だった
「ば・・・馬鹿言うなよっ!」
下を向いて、
俯くイアン
「何、大したことは無い。
お前はまだココが駄目だからな。」
エヴァは頭を人差し指で指して、
ウィンクをした
「っ!」
「どうした!?」
エヴァがイアンの体を支える
アダムとアイリスも
イアンの方を見る
「大丈夫・・・ちょっと足が痛むだけ。」
アイリスは近づき、
イアンの足を見る
「侵食・・・!?」
「何か知っているのか?アイリスちゃん。」
アダムは深刻そうな顔をする
「さっきサンにやられた魔法です・・・。
サンが消える時に・・・。
あれは侵食魔法だったんですね。」
その傷を見て、
アイリスは口に手をやる
「な・・・何だよ!何かあるのかっ!?」
「このまま浸食が続けば、
イアンさん・・・・。
貴方の足は・・・・。」
「何だよ…。」
不安で顔を曇らせるイアンを見て
アダムは言う
「歩くんだ、イアン君。
この先にもう一人いる。」
「アダムさん・・・。」
「歩け、イアン君。」
イアンを無理やり立たせて、
間の森へ向かう
イアンにとっては
どれほど長い道のりに
なるのだろう?
しばらく歩くと、
今までの森より
暗い森が見えてきた
「ここは・・・?」
「魔の森だ。」
エヴァの警戒心が高まる
アダムも銃を出した
「イアン君、踏ん張れ。」
気楽な笑顔で、
イアンに言う
「馬鹿かアダムさんは!!
こんな状況で・・・っ!!」
「それだけの元気があれば、
平気だろう。」
「アダムさん・・・・。」
「さぁ魔の森へ突入だ!!」
拳を高く振り上げて、
ゆっくり魔の森へ入っていった
暗い森の中へ
4人の姿は消えていった
その後ろで
クスっと笑う2つの人影が
後を追い歩きだす
「この森で朽ち果てるかな・・・?」
「黙れ、ダーリン・スピアーズ。
こんなところで死なれては、
貴様も困るだろう?」
「そうなんだけどね・・・。」
ダーリン・スピアーズ
ファイブパーソンサタンの一人
年齢13歳
「楽しみじゃないか。
最後の一人・・・。」
自分の中指を爪で噛み、
赤い血を輝かせながら
暗く沈み切った笑みを魅せた・・・