彼は同じ時間に下駄箱にやって来る。
そして言う、
「今帰り?女の子がひとりで夜道を歩くのは危ないから、一緒に帰ろう」
毎日、同じ時間に現われて言うのだ。毎日。
そりゃぁ、私も部活動はしているし、彼もしているだろう。
していなくても、こんな遅い時間までいる必要があるんだろうか。
それに、時間がバラバラになる頃…、文化祭やテスト期間だって、私が下駄箱に手をかけた時にはもう
靴を履いて待って、居るのだ。
不思議だった。しかし、尋ねる気もなかった。
もはや、それが普通だと、思っていた――――。
私はいつも、うなずきもせず歩いていく。
でも彼はついてくる。
それが、彼にとって当たり前のように。
今日も、午後7時下駄箱の前。
「今日は、家の前まで送っていくよ」
今日は様子が変だった。いつもは近くの公園までなのだ。
だから、ここまででいいと言った。
しかし彼は
「何が起こるか、わからないから人生なんだと、思わないかい」
「僕は君を家まで送らなきゃいけないんだ。今日も、僕のわがままに付き合てくれないか」
私の家の前、彼はこういった。
「また、学校で」
だが、彼は来なかった。
午後7時、下駄箱の前。
誰も現れない。
声もしない、冷たい下駄箱の前。
歩き出そうとしても、何かが違うようで踏み出せない。
「あぁ、彼がいることに慣れてしまったんだ」
そうだ、「存在」していることに慣れてしまった。
しかし、私は彼の何も知らなかった。
名前も愚か、ここの学生だってことも。
彼の何も知らない。
探したくても探すことすら困難。
私は彼を「何も」知らないのだから。
「私は、彼が「存在」している。ということに慣れてしまっただけで、彼を「何」も知らないのだ。」
彼は繰り返し私の前に現われていることは、彼が証明している。
のに、私が否定している。
「この感情が嘘をついていないのは、自分が一番分かっている」
それなのに、どうしてこうも素直になれないのだろうか。
「俺さ、今の会社、機関長になって30になったらやめようと思ってるんだけど」
「はい」
「次に勤めたいところがさ、3か月に1か月しか帰ってこれないところなんだよ。しかも、苫小牧から乗るか、静岡から乗るか決められるんだ」
「ええ」
「……でね、一緒についてきてくれる人を探してるとこなんだ」
「……へー。それを私に話してどうしろっていうんですか?」
「や、こんな話についてきてくれる人、いると思うかなって思って?」
「うーん、中にはいるんじゃないんですかね?3か月に1か月とかかなりだけど」
「そうなのかな?まあ、その人が地元に居たいっていうなら静岡からでもいんだけど」
「その人に合わせるんですね!やー、普通の子には厳しいんじゃないんですかー?私はこういう職業には理解ありますけど」
「…」
「もし、その話が私への提案なら、全然大丈夫ですよ!
あなたが家族とあんまり親しくないとか言ってるから苫小牧からでも!
乗船期間は…そりゃ、寂しいけれどそのかわり1か月みっちり一緒にいてくれれば」
「ふーん」
「でも、私に対して言ってるわけじゃないんですもんね」
「そうだよ」
果たして、こういう会話が成り立ってしまう関係が恋人というのだろうか。
強いていうが、私に言っているように聞こえる話にしているのが悔しい。
悲しいというか、その人らしいというか。
本当に伝えたいことは、隠して隠してひたすら隠して少し見せたりして。
つかずはなれずの関係を作り出すのが上手である。
「はい」
「次に勤めたいところがさ、3か月に1か月しか帰ってこれないところなんだよ。しかも、苫小牧から乗るか、静岡から乗るか決められるんだ」
「ええ」
「……でね、一緒についてきてくれる人を探してるとこなんだ」
「……へー。それを私に話してどうしろっていうんですか?」
「や、こんな話についてきてくれる人、いると思うかなって思って?」
「うーん、中にはいるんじゃないんですかね?3か月に1か月とかかなりだけど」
「そうなのかな?まあ、その人が地元に居たいっていうなら静岡からでもいんだけど」
「その人に合わせるんですね!やー、普通の子には厳しいんじゃないんですかー?私はこういう職業には理解ありますけど」
「…」
「もし、その話が私への提案なら、全然大丈夫ですよ!
あなたが家族とあんまり親しくないとか言ってるから苫小牧からでも!
乗船期間は…そりゃ、寂しいけれどそのかわり1か月みっちり一緒にいてくれれば」
「ふーん」
「でも、私に対して言ってるわけじゃないんですもんね」
「そうだよ」
果たして、こういう会話が成り立ってしまう関係が恋人というのだろうか。
強いていうが、私に言っているように聞こえる話にしているのが悔しい。
悲しいというか、その人らしいというか。
本当に伝えたいことは、隠して隠してひたすら隠して少し見せたりして。
つかずはなれずの関係を作り出すのが上手である。
いいよって、大丈夫だよって、いつだって君が困らないように強がってるんっだって。
自分じゃわからないうちに、それが普通になって
心がマヒしちゃってるんだよ。
心のうちはまだ打ち明けられないから、手探りな状態なまま
二人まどろっこしくって。
「一年会えなくても、会える今日があればまだましだよ」
なんて強がってみたって、周りの人が羨ましくて仕方ない。
いつだって会いたいのに、会えなくて。
別れた後は、ものすごく寂しくて。
もう終わり?あっという間。
どんなに君と居たくたって、時間は止まらないから。
「またね」って。
「いつ会える?」は、禁句です。
確証なんてない。
来年は、会えないかもしれない。
不安そうな顔、見せたんだろうか。
未来の話をしようって。未来では、君の隣に
3か月いられないけど、1か月一緒にいられるらしいじゃないか。
でもさ、その1か月だって私だけと居てくれるわけじゃないんでしょう?
そうなんだよ、きっとそう。
会社の人と飲みに行ったり、友達に誘われたりするんでしょう?
私はきっと
「いってきなよ、せっかくの休みなんだから」
なんて、また言うんだろうな。
気持ちに嘘はないけど、悲しいんだろうな。
寂しいんだろうな。
「働いた分、自分の好きなように過ごしてきたらいいよ」
なんて、言うけどまた自分に言いたいことはそうじゃないって突っ込んでるんだろうな。
一緒にいすぎたら息が詰まるけど
一年我慢して、織姫と彦星みたいな関係で
それがもっと
近くなるんなら、私その話乗ってあげるよ。
未来の隣の人になってあげるよ。
自分じゃわからないうちに、それが普通になって
心がマヒしちゃってるんだよ。
心のうちはまだ打ち明けられないから、手探りな状態なまま
二人まどろっこしくって。
「一年会えなくても、会える今日があればまだましだよ」
なんて強がってみたって、周りの人が羨ましくて仕方ない。
いつだって会いたいのに、会えなくて。
別れた後は、ものすごく寂しくて。
もう終わり?あっという間。
どんなに君と居たくたって、時間は止まらないから。
「またね」って。
「いつ会える?」は、禁句です。
確証なんてない。
来年は、会えないかもしれない。
不安そうな顔、見せたんだろうか。
未来の話をしようって。未来では、君の隣に
3か月いられないけど、1か月一緒にいられるらしいじゃないか。
でもさ、その1か月だって私だけと居てくれるわけじゃないんでしょう?
そうなんだよ、きっとそう。
会社の人と飲みに行ったり、友達に誘われたりするんでしょう?
私はきっと
「いってきなよ、せっかくの休みなんだから」
なんて、また言うんだろうな。
気持ちに嘘はないけど、悲しいんだろうな。
寂しいんだろうな。
「働いた分、自分の好きなように過ごしてきたらいいよ」
なんて、言うけどまた自分に言いたいことはそうじゃないって突っ込んでるんだろうな。
一緒にいすぎたら息が詰まるけど
一年我慢して、織姫と彦星みたいな関係で
それがもっと
近くなるんなら、私その話乗ってあげるよ。
未来の隣の人になってあげるよ。
