11時少し前、まさにドッキング地点に到着したところに相沢さんから電話。
「○○工業、覚えてますか?そこにドッキング場所を変更でお願いします。住所は・・・」
「○○工業って、××の向かいだよね。今から向かいまーす。」
10分ほどして○○工業に到着すると、軽バンが1台出て行くところだった。
そしてそこには相沢さんと、地面に下ろされた荷物。
クルマを停めると相沢さんはリアハッチを開けた。
「おはようございまーす。」
「おはようございまーす。すいません・・・」
朝、俺に「もう運転手は頼まない」とブチ切れていたには落ち着いたようだった。
それなら俺も今朝の事は忘れて、一切口にすまい。
相沢さんは地面に下ろした荷物を積み終えると、助手席に乗ってきた。
「もうすぐドライバーが辰巳からの荷物持って来るんで、少し待ってください。」
10分ほど待っているとドライバーが到着。
相沢さんはそのクルマから配達担当分の荷物を俺のクルマに積み込み、ドライバーは出発した。
まずは今いる会社の納品をしてから俺達も出発。
「俺が休んでる間の△△△と藤沢の◇◇◇は誰が行ったの?」
「△△△は松井さんっす。藤沢の◇◇◇は断ったっす。」
「そうなんだぁ。藤沢の◇◇◇はいろいろ面倒だもんね。」
「HIROさんは休みの間どっか行ったんすか?」
「いや、近所で買い物と、大学病院くらいしか行ってないよ。」
「代車借りてたんすよねぇ?」
「うん、だけど過去は喫煙者だった俺でもヤニ臭いクルマでさぁ。とてもどこかに行こうなんて思わなかったよ(笑)ファブリーズをスプレーしても効果なくってさ。」
「天井とかにも染み着いちゃってるんでしょうね。」
「ところで免停の上田さん、そろそろ復帰できるんじゃないの?」
「ちょうど今日試験があって、それに合格すれば復帰できるらしいっす。」
「そうかぁ、よかったね。」
「上田さん休んでる間、辛かったっす。」
川崎市の中原区、宮前区、高津区と回ったら横浜市港北区の新横浜地区で2軒配達したら、また高津区に戻る。
「上で行きましょう。」と相沢さん。
「440円だと18分、160円だと29分ですと。」
「440円で行きましょう。」
金額の差は、第三京浜に乗るのに下道で行くか首都高に乗るかの差だった。
ちょこっとだけ首都高を走り、港北JCTから第三京浜に乗り換えると高津区まではあっという間だった。
そこからまた高津区、中原区。
配達は概ね終わっていて、残りは時間のシバリがある集荷。
3時過ぎ、コンビニで休憩。
俺はおにぎりを2個、相沢さんはサンドイッチを食べ、熱いカップスープをズズズとすすっていた。
最後の1軒だ終わったのは5時20分頃。
その後、通称「辰巳」に行くドライバーとドッキングして辰巳分の集荷した荷物を渡し、代わりにP社分の荷物を受取ってからP社に向かった。
「きょうの高速代、P社に請求できないんで、俺が払います。千円あるんでお釣りの分は帰りの高速代の足しにしてください。」
なんだぁ、ずいぶん気を使ってんじゃん。
今朝の事反省してるのかな!?
「最近帰りは下道で帰ってるから大丈夫だよ。」と言って千円札を返すと、小銭で450円財布から出してきたので、それは受け取った。
P社に着いたら相沢さんは荷物を下して、「お疲れ様でしたぁ。」
コンビニで少し買い物して帰宅したのは8時30分過ぎだった。
弟が来ていたけど、コートを着てマフラーもしていた。
「ただいまぁ。あれっ、寒いの?」
「いや、そろそろ帰ろうかと思ってコートも着たんだけど、まだコレが終わらなくてさ。」
見ていたテレビ、笑ってこらえてを見ているという事だった。
弟:「俺も無いけどそこのスーパーの裏辺りに居るらしいって聞いたよ。」
俺:「えーーーっ、そうなの!?この辺は意外に自然が残ってるんだねぇ。この前はフクロウの鳴き声を聴かせてくれたし、死骸だったけどタマムシがいたり・・・」
弟:「クワガタやカブトムシ、タヌキにハクビシンもいる。」
俺:「ハクビシンんはいらねえぇなぁ(笑)」
弟:「前にさぁ、ここから(俺んち)帰るときにギャーギャー何かが鳴いてるんで、その方向を見ていたら、通り掛かりのおばさんが、あれフクロウですよって教えてくれたんだ。フクロウって一般的にはホーホーって鳴くイメージだけど、時にはギャーギャー鳴くんだってよ。」
俺:「そうなんだぁ。ここらのフクロウ、実物を見てみたいなぁ。」
弟:「鳴き声は聞くけど、いつも夜だから姿は見えないんだよねぇ。」
笑ってこらえてが終わると弟は帰っていった。
俺はコンビニで買ってきたサラダと柿ピーで、ジョニーを飲んだ。
ひとしきり飲んだらお腹が空いてきて、ご飯に麻婆豆腐を乗せて食べた。
花胡椒が効いている麻婆豆腐だけど、ご飯と食べるにはちょうど良かった。