目があいた。
見えるのは真っ白な天井らしき物。
左手がじんじんと痛む。
すぐに病室だと気づいた。
何故?どうしてなの?
私は向こうの世界には行けなかった。
それがとても悲しくて涙がぼろぼろあふれ出した。
顔を少し右に向けると、
ベッドのすぐ側には見慣れた隆がうたた寝していたが
私の嗚咽に気づくととび起き、
そしてやさしく私に覆いかぶさった。
「菜月!気づいたか。良かった。本当に良かった」
泣きながらそう言う彼に、
私は何も言えずただ泣いていた。
しばらくして、涙は枯れた。
喉があまりに乾いていて声を出すのも辛かった。
隆に水を飲ませてもらい、ようやく落ち着いたところで
彼が話し始めた。
「お前、なんでこんなバカなことしたんだ。
子供ができた事、そこまで一人悩んでたのか?
そうなんだろう?」。
私はわけがわからなかった。
「心配するな。結婚しよう」
「子供って、何の事?」
「お前、知らなかったのか?じゃあ、なんで・・・」
「妊娠してる?」
あまりの驚愕にそう呟いた。
「18週目だと医者が言ってた。
俺はものすごく嬉しい。 二人の子だ
結婚して一緒に育てよう」。
満面の笑みの隆に、
私はまた、泣くしかなかった。