今日の空は青くて、陽のひかりも暖かくて、雲も流れてて、鳥も飛んでて、とても穏やかでした。

一年前の今日がどんなお天気だったかはあんまり覚えてないけど、雨は降っていなかった。でもとても寒かった。



この一年間、人と人を繋ぐためのこのお仕事をしながら。
私には予測することの出来ない傷や痛みを抱えたお客様に出逢ってきた。

私の前では笑うんだよ。

その笑顔を見ては、不謹慎だと思うし偽りの笑顔かもしれないけど、凄く綺麗な笑顔だと思う。

痛みを知っている人の笑顔は美しい。

何度、涙を堪えたことか分からない。



今日、発生時刻の一分前には。
無線放送で黙祷の号令が流れて。

発生時刻には、辺りに静寂が流れて黙祷を捧げる。

こんなに空は青くて綺麗なのに、
こんなに涙が出る黙祷をしたことはあったか。





私のこの手は、身体は、言葉は、癒しの力すら持っていない。
何も出来ない、とは言いたくはないけれど、正直言って無力に等しい。

だから私の力で誰かを励まそうとか、誰かを力付けようとかは、軽々しく口にしたくないから言わない。

けれどせめて、その力を持っている人の手で、身体で、言葉で、一瞬でも癒されて欲しい。

ただ、笑って、青くて綺麗な空を見て欲しいと思う。





復興へ向けて、願いを込めて。