(BL小説/AS櫻葉妄想)

 

 

 そっと、執事のベッドを覗くと、まだグッスリ眠ってる。

 

「……よっぽど、疲れてんだなあ……ごめんね翔ちゃん」

 

坊っちゃまの健康ばかり心配する執事は、自分のことには、構わないで暮らす。

 

眠ってる執事の顔は、いつもと違って幼くて可愛かった。

 

「へえ……翔ちゃんて寝てても可愛いなあ♡」

 

見惚れていると、ゆっくり執事が目を開けた。

 

「あ、翔ちゃん、おはよ」

 

執事はニコッと笑うと、坊っちゃまを呼んだ。

 

「一緒に寝よ……」

 

「へ?」

 

寝ぼけてるらしい。

 

「え……と。いいのかな」

 

「早く……」

 

そっと執事の隣に寝てみると、執事は坊っちゃまにキュッとくっついて、また眠ってしまった。

 

「可愛いなあ……」

 

見たことが無いような執事に、坊っちゃまは嬉しくなった。

 

坊っちゃまの胸に綺麗な顔を乗せて、眠る顔は可愛くて。

 

「まあ……いいや。今日は、このままだな」

 

ふふっと笑って、坊っちゃまは可愛い彼を抱きしめると、一緒に眠った。

 

坊っちゃまも、ヘトヘトになるまで昨日は働いたから。

 

疲れた二人で、今日はお昼寝。

 

何より贅沢で、幸せなお誕生日の前日になった。

 

 

 

 

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日が暮れてから、執事は目が覚めた。

 

「えっ……」

 

気が付くと、坊っちゃまの胸に抱きしめられて眠っていた。

 

夢の中だと思って、可愛い坊っちゃまと、一緒に寝たのに。

 

「私としたことが……」

 

頬を赤くして、呆然とする。

 

坊っちゃまが、幸せそうに眠ったまま、自分を抱きしめて離してくれない。

 

「翔ちゃん……」

 

寝言の声にドキッとする。

 

「し……仕方ない」

 

ドキドキするけど、大人しく胸に抱かれたまま、静かに目を瞑る。

 

けど。

 

たくさん眠ったのと、坊っちゃまの寝顔が可愛すぎて、眠るのは無理だ。

 

ただ、心臓の音だけがするこの時間を、いつまでも覚えておこうと、執事は思った。

 

 

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続くグリーンハーツラブラブ