(BL小説/AS櫻葉妄想)
ある早朝。
突然、大野智へ電話が鳴り響いた。
「あのさ……朝から、非常識じゃない?」
電話に出た大野智は、不機嫌だった。
「ちょっと! この間は、朝早くから俺ん家に電話してきて、大騒ぎしただろうー!」(前話参照)
「ああ……そんな、すんだことじゃん」
あはは、と笑うと怒鳴られた。
「もう電話で、うるさいよお……」
相葉家のお坊っちゃまは、この間のお詫びに手伝えと言う。
「え? そりゃ良いよ? 1番の新作を用意してあげるけど。そんなもの喜ぶかなあ?」
坊っちゃまの言うブランドの新作の洋服と靴を、執事に買ってあげたいらしい。
「いいのっ、翔ちゃん、自分のもの買わないから、俺が買ってあげるのっ、じゃあ頼んだよっ」
電話が切られて、大野は、ため息を吐く。
「翔ちゃんが、欲しいものって、分かんないんだろうなあ。ちょっと子供だからなあ……」
誰が見たってお似合いの坊っちゃまと執事。
固い絆と信頼が、見てとれる。
「……まあ、お誕生日だし、カズも世話になったからね」
大野の幼馴染・二宮和也とその恋人の松本潤が、坊っちゃまと執事を巻き込んで大騒ぎしたのも、相葉家に無理矢理カズを預けた大野のせいだった。
急いでセレブも手にするのが困難な、とびきりのスーツや靴・小物の貴金属を発注してあげた。
美人で有名な執事・櫻井翔と、美しい相葉雅紀坊っちゃまは、この社交界では皆が近づきたい有名人だ。
「俺の自慢の友達だからね」
二人が良い誕生日を過ごせますようにと、優しい彼は神様に願ったのだった。
本編へ続く