(BL/MS/潤翔妄想小説)
*Dom/subユニバース・パロ風
(13)
潤が翔を抱いて連れて来たのは、避暑地の一軒の別荘だった。
翔の家の持ち物だが、この家の鍵は、何かあった時の為に、今日は潤だけが預かっていた。
翔を抱いた潤の足音だけが響く。
バーベキューの場所からは近いが、まるで別世界のように静かだった。
翔は真っ青になりながら、潤の腕の中で震え始めた。
「ど、どうするの?」
「……翔様は、どうしたいですか?」
「え……」
潤は優しく微笑んで、別荘の中に入るとそのまま2階へ上がる。
「……ま、待って? 松本っ」
翔が不安になって、潤の腕から逃げようとするが、まるで力が入らない。
「……無理ですよ。翔様は」
「ど、どうして?」
「翔様は、私が気になるでしょう? いつも私を意識していらっしゃる」
「……///」
真っ赤になっている自分には、翔は気が付いていない。
そんな可愛らしい顔も嬉しくて、更にぎゅっと潤が抱きしめる。
「私は、Domです。分かっているでしょう?」
その言葉に慌てた翔が叫ぶように言う。
「ぼ、僕は……Subじゃないっ!」
そんな翔へ、潤は優しく微笑んだ。
「関係ありません。私は翔様がSubでも、そうで無くても」
「か、関係ないって?」
潤は、ベッドのある部屋まで来ると、翔をベッドへ下ろした。
黙って、隣に座ると見つめてくる。
その視線が、熱くて苦しいのに、どこかで嬉しいと思う自分に、翔は気が付いた。
「翔様、私が怖い?」
「……」
潤は、愛おしそうに翔の頬を優しく撫でる。
「私は、あなたが好きです。初めて見た日から。毎日思ってる。あなたを抱きたいと」
「えっ……」
「でも、無理にはしたくない。あなたは、私が嫌い? 触ると気持ち悪い? これは?」
そう言うと、潤は両手で翔の頭をそっと押さえて、何度も何度もキスをする。
キスをするたびに、翔の力が抜けていく。
どんどん、翔の体の血が沸騰していくよう。
「熱い……」
翔が、自分から着ているものを脱ぎ始めた。
「翔……」
「松本……」
「潤と、呼べますか?」
「……潤」
潤の声は、甘く翔の体を痺れさせるように響いた。
続く