窓に近づくと何やらカズが興奮気味に俺を呼ぶ
カズがあまりにも慌てるから
嫌な気しかしなくてつい身構えてしまう
おっかなびっくり
近づくと小さな花びらのような
コビト？が何かを運んでいた
なんだろう？
何かの切符みたいなものに見えるけど？？
コビトが何かを言っているけれど
小さすぎて俺には聞こえない
カズが興奮冷めやらぬ様子で
何で聞こえないんだ！とばかりに
通訳してくれている（笑）
何気にいい奴なんだこいつ・・・生意気だけど
カズが言うには
春の宴に招待するから必ず来てと
言っているらしい・・・
春の宴って？
コビトって実在したんだ
色々なものを見てはきたけど
コビトは初めてかも・・・
以前、俺の仕事場についてきた小さな女の子が
まさかの智くんの式だったとは思わなかった
白いワンピースを着た女の子っが
あの潤だったんだから驚きだ
カズの興奮は一向に収まらず
何でも、このコビトの主は
とても有名な方らしい、滅多に見られない
貴重な人種・・・
ってか、コビトの主って人なのか？
どんな人なんだろうな
むかし読んだチックとタックだったっけ
絵本を思い出した
花びらが舞うように
小さな人たちはカズとしばらく話して居た
滅多に見られないとなると
ずっと見ていたくなる
この小さな人たちって
名前あるのかな？
カズに自己紹介してくれるか聞いてみてって
頼んでみた・・・
名前は一種の呪詛らしく
源氏名でよければと
教えてくれた・・・・
右から
ひめ姉
くろねこ
ころぶた
nashi23
omiyaholic
ピンクの花びらが舞い散るように
くるくる楽しそうに動いている
見ていて飽きない・・・
この世界には不思議がたくさんあるって
智くんと過ごすようになって改めて感じた
最初は驚いたけれど、今はそれも生活の一部になっている
したがって、智くんを変な奴と思うこともなければ
それこそ、一歩距離を置くなんてことは絶対にない！
そんなことを考えながら
いつの間にか手のひらに乗っていた
春の宴へのチケットを眺めていた・・・・
