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✳︎ 久々の奏楽(ソラ)です

お花見に行けるといいなぁ





1話目














毎年この季節になると

ここに初めて来たときの事を思いだす

 

 

 

智くんに興味を持っていつの間にか

それが普通じゃないって実感して

それが何か確かめたくて・・・

いや、違うか(苦笑)

 

 

・・・答えはもうわかってたんだ

 

ただ一緒に時間を過ごしたい

それ以上は何も望まないから

智くんの傍にいたい

そんな思いのまま

イチかバチか賭けてみた

 

『ここに引っ越してこようかな?』

 

 

キョトンとした智くんの顔

ぐるっとあたりを見回して

 

『翔くん、ここにずっといられるの?何も感じないの?』

 

その質問が今思えば

こいつらの事だったわけなんだけど

 

聞けば遊びに来ても

誰一人長居できずに帰っていくって

少し寂しそうに言ってたのを思い出した

 

 









そして

俺は断られなかった

同居することに対しても特に

嫌がられるわけでもなく

幾つかの条件を言われただったんだけど

一つでも該当しなかったら諦めてって

言われたんだ

 

その条件っていうのがどういうわけか

いまだに全く思い出せない

覚えていないと言った方が正しいのかも

 

少しの間遠くを見て誰かと話して居るような

そんな薄っすらとした記憶が時々よみがえる

 

今、俺はここに居る

その条件を無事にクリアして

一緒に同じ時間を過ごせている

 

二人きりの生活ではなかったけれど

それはそれで毎日が楽しい

こんなに幸せでいいのかなって

最近よく思うんだ

 

それと・・・

甘い金平糖がいつの間にかあと僅かになっていた

 









ご存知の通り意気地なしだから

俺は金平糖を握りしめてるだけ

それをおいしくしてくれるのはいつだって

智くんで・・・

 

だからこのわずか数粒の金平糖は

絶対に俺がこの世で一番美味しいって

言ってもらえるようにするんだ


 

 

・・・・ムリダネ(笑)



 

「・・う、うるさいよ!!」

 

 

・・・シタゴコロミエミエ(笑)

 

 

「////// い、いいんだよ!!」

 

 

最近ますます生意気になったカズと

いつものようにこうして言い合いになるのも

ある意味コミュニケーションが取れてて

いいのかも・・って思うことにした(笑)

 

 

シタゴコロは・・・否定しない

 

 

コトッ

 

 

 

ん?何かが窓にあたった

風が出てきたのかな?

 

俺より先に窓に近づいていったカズが

ギャーギャー騒いでいた