夢を見ていた
俺を見つけるとニコッと笑う
智くんの八重歯がやたら白かった夢
今はきれいな歯並びになっちゃったけど
昔はピョコッと飛び出てた歯もあって
可愛らしかったんだ
いつの間にかどんどん先に大人になっちゃって
なんだか一人置き去りにされたようで
だからなのかな、俺なりに細やかな反抗を
繰り返してたのかもしれない(苦笑)
追いつきたくて無理して空回りして
結局、智くんに負担掛けてたんだって
気が付いた時にはもう見えない距離感を
勝手に俺が感じていたんだった
いつだって変わらず気にかけてくれてたのに
変に大人ぶってる俺が邪魔ばかりする
今だって・・・そう
重い頭を持ち上げる
「・・・・・・・・。」
んああああ~クソっ、
身体がいて~!!
が、構ってる暇はなし!
智くんとの約束の時間まで
ずっとこんな気持ちで過ごすのかと思うと
せっかくの楽しい時間が勿体ないぞ!!!
そう言い聞かせて
蛇口をひねり半分寝ぼけた頭ごと
水をぶっかけた
そうだ、せっかくもらった
智くんとの時間、大事にしないと・・・
滴る水滴をバスタオルで拭きながら
クローゼットを開けると
目に留まる迷彩柄のカバン
そうだ、何も持ってくるなと言われても
やっぱ手ぶらでなんて行けない
何があってもいいように必要最低限の準備はしていくのが
礼儀ってもんだよな~
気分を新たにその迷彩柄のカバンに
思い立つ物どもを入れまくった
それがなんだか楽しくていつの間にか
パンパンに膨らんでいた・・・・・
明後日が待ち遠し・・・い


