次の日は、運よく松潤とだけの仕事だった。
昨日のニノの言いかけた言葉が気にはなったが
また話すのも気がひけて、結局そのままに・・・
(俺だって必死なんだ!今ならまだ間に合う)
そう自分に言い聞かせて、平常心を装う。
「翔さん・・・心の声漏れてます。」
「はっ?」
「今度は何があったんです?独り言喋ってるときって必ず大野さん絡みだけど(ニヤッ)」
うっ、なんだこいつまで、ナゼにばれる?
「そういゃ、大野さんとこの間飲んだんだ、
酔っぱらうとこれが可愛いのなんの(嬉)。
なんかガンガン飲んでたから
呂律は回らないし、フラフラ千鳥足で抱き着いてくるし、いやぁ男でも連れて帰りそうになるね、
マジで、可愛いかった!」
「・・・・・・・。」
「あれ、翔さん?どうした?」
「別に、・・・時間だぞ」
「あぁ、・・・はいはい」
史上最っ悪と言っていいほど
全く記憶に残らないくらいこの日の収録は上の空。
しっかりしろ、こんなことじゃ距離を置く意味がない!
「あぁ~ッもうっ!!」
シ~~~~~~~ン
はっ、、、ヤッベ~(汗)
「す、すいません!」
「翔さん、一回休憩しようか?
すいません!ちょっと休憩してもいいすか?」
「わるい、松本・・・」
「っで、何が原因だって?」
ダメだ、松潤には隠し事は無理だ。
俺は、昨日の事を一部始終話した。
この際プライドもくそもない!
何が正解かもうわからなくなっていた。
「ふ~ん。っで、翔さんはこのままが最善だと思っているんだ」
「まぁ、今のところ・・・」
「最悪っしょ?」
「なんで!」
少しむっとした俺にさらに追い打ちかけてくる。
「何で大野さんにそれ話さないの?第一もしそうするなら、何で大野さんに気づかれないようにできないの?どっちも中途半端なんだよ。そんなんで最善?そんなわけない。」
「じゃぁ、俺はあなたが好きですって告白したとして、NO、だった場合は?
もう一緒に仕事なんかしてもらえないかもしれないじゃん。だったら
このままでいられるのなら傍にいられる方をって、思うよね?」
「いや、そうは思わない。少なくても俺には
今まで通り接してくれているから。翔さん、大野さんの何を見てるの?」
「・・・今まで通りって?えっ、ウソ。」
「俺、告白したんだ。大野さんに。」
俺は頭の中が真っ白になった。松潤も智くんが好きだったんだ
そして、気持ちを伝えてる。
智くんはそれを受け止めた上でのあの関わり・・・・
俺は間違っていた?
「大野さん、少し困っていたけど、好きな人いるからって。」
「えっ!!!」
智くんの好きな人・・・
そっか、そうだよな。いたって全然可笑しくないよ。
ずっと一人のわけないか。
「でも、嬉しかったぞ!って言ってくれたから救われた。」
「・・・・・・。」
「一応、俺まだこの場所にいられてるけど?これじゃ納得できない?(笑)」
「いや、まぁその、なんだ・・・ゴメン!」
「何で翔さんが謝るのさ(笑)」
なんか、わけもなく俺は松潤に
ひたすら心で「ゴメン」を繰り返していた。
好きな人・・・いたんだ。
